研究課題/領域番号 |
17540454
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金子 克哉 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 助手 (40335229)
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研究分担者 |
芳川 雅子 京都大学, 大学院・理学研究科, 教務補佐員 (00378605)
高橋 俊郎 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究推進スタッフ (20392946)
柴田 知之 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (40332720)
鎌田 浩毅 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 教授 (80303791)
小屋口 剛博 東京大学, 地震研究所, 教授 (80178384)
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キーワード | 阿蘇火山 / カルデラ / マグマ供給系 / 地殻進化 / Sr同位体組成 |
研究概要 |
前年度に引き続き、岩石学および地球化学的手法を用いて、阿蘇火山のケーススタディにより、カルデラ火山におけるマグマ供給系の長期進化(10万年オーダー)の性質を明らかにし、その進化を引き起こすメカニズム解明することを目的として、種々の分析を行った。 本年度は、阿蘇火山の4回の大規模火砕流噴火のうち2〜4番目の大規模噴火、Aso-2、3、4噴出物の主要噴出物の全岩ストロンチウム同位体分析および斜長石斑晶のストロンチウム同位体分析を行った。 その結果、以下の重要な知見を得た。 (1)Aso-2〜4の大規模噴火におけるマグマの同位体組成は大きく変化しないながらも、それぞれに異なる。一方、各大規模噴火において、最も苦鉄質なマグマおよび最も珪長質なマグマに関して、全岩およびガラスのストロンチウム同位体組成はほぼ等しい。 (2)斜長石斑晶のストロンチウム同位体組成は、高いアノーサイト量を持つ斜長石において低い傾向がある。 (3)珪長質マグマに関して、大規模噴火、小規模噴火を問わず、マグマの温度、酸化還元状態、マグマの含水量、マグマのSiO2-K20量の関係、の4つ間に相関関係がある。これらの関係は、珪長質マグマが一貫して、溶融過程によって生産され、溶融した物質の水量変化および酸化還元状態の変化により統一的に説明される。また、大局的に阿蘇火山における珪長質マグマのもととなった物質は、時間とともに含水量が増え、かつ酸化的になっていったことが示された。 以上の事実を基にしたモデル構築を進めている。
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