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2005 年度 実績報告書

原子間力顕微鏡による粘土鉱物の溶解その場観察-その溶解速度・機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17540457
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

桑原 義博  九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 助教授 (90281196)

研究分担者 上原 誠一郎  九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (70158773)
石田 清隆  九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 助教授 (60108602)
キーワードスメクタイト / 溶解速度 / AFM / アルカリ性環境 / 溶解機構 / 反応表面
研究概要

本年度の主たる研究目標は,新しく導入する加熱AFM法を用いた粘土鉱物の溶解その場観察法の確立と,その実験法を実際に応用した温度50℃前後,アルカリ性環境下におけるスメクタイトのフロースルー溶解その場観察であった.前者に関しては以下のような結果が得られた:(1)温度条件の安定性のための最良の溶液流速は毎分10μl前後であること,(2)粘土粒子の固定法であるPEI法のアルカリ性環境における安定性において,pH12前後までは使用可能であること,(3)異なるAFM走査法(コンタクト・モードとタッピング・モード)における粘土鉱物粒子の溶解反応への影響度の比較研究の結果,両走査法とも使用可能であるが,タッピング・モードではその影響度がほぼ無視できること.これらの結果により,少なくとも温度条件20-50℃までのフロースルー溶解その場観察が可能となった.
実験法の確立により,温度25-50℃,アルカリ性環境下におけるスメクタイトのフロースルー溶解その場観察を行った.その結果,以下のような新たな知見が得られた:(1)全条件においてスメクタイトの溶解反応表面は端表面に限られること,(2)従って,溶解速度を規格化するにあたり,従来用いられているBET比表面積や総表面積で溶解速度を規格化しても本質的な溶解速度は得られず,端表面積で規格化すべきであると提示したこと,(3)および,温度25-50℃,pH11-12の条件下におけるスメクタイトの溶解速度を決定したこと.
これらの研究成果の一部は,日本鉱物学会や国際粘土学会などの国内・国際学会で発表するとともに,国内外の学術雑誌(Clay Science,粘土科学など)に公表した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] In-situ, real time AFM study of smectite dissolution under high pH conditions at 25°-50℃2006

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiro Kuwahara
    • 雑誌名

      Clay Science (In press)

  • [雑誌論文] 高レベル放射性廃棄物地層処分におけるベントナイト緩衝材変質現象に関する最近の研究と今後の研究展開2005

    • 著者名/発表者名
      井上厚行 他
    • 雑誌名

      粘土科学 第45巻・第1号

      ページ: 31-61

  • [雑誌論文] Chlorite in metabasites from the Mikabu and North Chichibu belts2005

    • 著者名/発表者名
      Miyahara et al.
    • 雑誌名

      Clays and Clay Minerals Vol.53

      ページ: 466-477

  • [雑誌論文] X-ray Rietveld refinement and FTIR spectra of synthetic (Si,Ge)-richterites2005

    • 著者名/発表者名
      Senda et al.
    • 雑誌名

      American Mineralogist Vol.90

      ページ: 1062-1072

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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