研究課題/領域番号 |
17540458
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
新城 竜一 琉球大学, 理学部, 助教授 (30244289)
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研究分担者 |
松本 剛 琉球大学, 理学部, 教授 (30344287)
石塚 治 産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 常勤研究員 (90356444)
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キーワード | フィリピン海プレート / 背弧海盆 / 地球化学 / 西フィリピン海盆 / 中央海嶺玄武岩 / 年代測定 / 玄武岩 / 海洋底物理 |
研究概要 |
1 本年度に行った研究によって得られた新たな知見などの成果 (1)西フィリピン海盆の北西〜西部域において、我々が参加した調査航海(KR03-04およびKR04-14航海)によって得られた地球物理データのうち、特に精密地形データに関する解析を行った。調査域の北西部(特に沖縄-ルソン断裂帯(OLFZ)の東側)では、複数回のリッジ・ジャンプ(あるいは重複拡大系)が発達しており、いずれも新規の拡大リフトはプルームに由来すると思われるUrdaneta海台の方から発達している。 (2)既存の岩石サンプルも加えて、航海で得られた基盤岩の化学分析(主成分、微量成分、Sr-Nd-Pb同位体比)を行った。調査海域では、OLFZをはさんで、その両側で基盤岩の組成に明瞭な違いが認められる。すなわち、OLFZの東側の基盤岩は多様な化学組成を示し、プルームに起因する海洋島玄武岩〜インコンパティブル元素に富んだ中央海嶺玄武岩(E-MORB)、および通常の海嶺玄武岩(N-MORB)の組成範囲を有している。一方、OLFZ西側の岩石は、N-MORBの特徴を示すものが優勢である。これらの化学組成の違いは、海底拡大におけるプルームの影響を反映していると考えられる。 (3)年代測定を行った結果、変質の影響が強く噴出時の年代を得ることが困難なサンプルが優勢であることが判明した。厳密な検討では、2〜3個程度の岩石から信頼できる年代を得た。 2 今後の研究の展開 (1)基盤岩の年代測定は重要であるので、変質の影響の少ないサンプルについて、引き続きAr-Ar年代法により生成年代を決定する。 (2)さらに多くの岩石についての化学組成(特にPb同位体比)を分析する。 (3)年代測定結果に基づいて、地磁気異常・重力異常パターンの解析を行い、海盆拡大のメカニズムを明らかにする。
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