研究概要 |
1)引き続き、ナクラおよびやまとナクライトの研磨薄片について偏光および反射顕微鏡下で水質変成鉱物の観察をおこなった。やまとナクライトでは、落下後南極氷床中にとどまっていた間に受けた水質変成の影響がナクラと比較して大きいことが明確になった。 2)やまとナクライトオリビン中のライフーナイトの成因をあきらかにした。 3)フランツアイソダイナミックセパレーターをもちいて、やまとナクライトオリビンの分離をおこなった。 4)ナクライトと同じクレーター起源と考えられるシャシナイト(ChassignyおよびNWA2737)のRb-Sr,Sm-Nd,Ar-Ar同位体年代学研究から、ダナイトにおいては同位体系を乱すような水質変成の影響はほとんどないことがあきらかになった。 5)玄武岩質シャーゴッタイトであるZagamiおよびNWA856中のリン酸塩鉱物について、走査型顕微鏡により詳細な観察をおこなった。メリライトおよびアパタイトの産状から、同位体系をリセットするような水質変成の影響は認められないと結論された。 6)やまとナクライトオリビンのRb-Sr同位体分析を継続しておこなっている。
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