研究課題
基盤研究(C)
近年、定常出力のマイクロ波を使って、通常の温度では反応では起きないような化学反応を起こしたり、"非熱的効果"を有効活用することが注目されてきた。「ギガワット級・短パルス・マイクロ波」は非常に大強度なマイクロ波である。大強度であるため、これらの応用で有効利用することが期待できる。さらに数ナノ秒という短パルスであるため、輸送経路において絶縁破壊に至る前にパルスを終えることができ、定常の場合と比べると、通常の導波管を用いることができる長所をもつ。将来的に核融合装置へ応用することを考えて、真空中の放電やガスパフからのプラズマ生成を研究する。さらにマイクロ波によるアブレーションの基礎研究を行う。比較的基礎的な分野への応用も視野に入れて検討している段階である。さて今後の展開を視野に入れて幅広い応用のためには、導波管からマイクロ波を制御された形で自由空間に出す必要がある。具体的には発振管ではTM01モードで発振するため、それを自由空間に放出し、平行なビームにすることを目ざした。ミリ波領域で用いられている準光学アンテナの適用を6cmという比較的長い波長に適用する。そのため初年度に当たる今年度はそれらの研究を精力的に行なった。我々自身で準光学的な要素を検討し、設計し、製作した。ここで、コンピューターを用いずとも簡単な幾何光学的な考え方でもある程度可能であること、高出力でも問題なく動作することがわかった。これにより将来へとつながる必要な基本的なステップが確保されたと考えている。今後、実際応用に向けて研究を開始する。またマイクロ波電力の向上をめざして、鎌田氏を中心に新しい発振管の開発をしている段階である。遠くないうちに「ギガワット級」が達成されると思われる。
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電気学会パルスパワー研究会資料 PPT-06-15
ページ: 77-82
平成17年度核融合科学研究所共同研究「パルスパワーと粒子ビーム技術の最前線」報告書 (now printing.)
Proc.of 6 th Int.Workshop on Strong Microwaves in Plasmas, (Nizhny Novgorod, Russia July. 2005) (now printing.)