研究概要 |
1.高性能型プラズマ溶射ガンの試作と作動試験 (1)研究代表者が以前に開発したプラズマ電極型プラズマジェット発生器を熱源としたプラズマ溶射ガンをベースとした高性能型プラズマ溶射ガンを開発するに当たり、先ず、熱源である発生器の電極間に挿入されている絶縁集束部の長さを延伸、あるいは局所集束リングを用いて絶縁集束部におけるアークの局所集束等の手法を採用したプラズマジェット発生器を試作した。 (2)試作器の作動試験を行った結果、熱出力は最大15kWと高出力化でき、熱効率も10%アップの約70%であった。しかし、電極特に陽極の溶融により、作動時間が30分以下と短く長寿命ではなかった。 (3)新たに陽極をマルチ化したプラズマ電極型プラズマジェット発生器を試作し、安定作動時間が1時間以上であることを得ている。また、本発生器を熱源とした溶射ガンの詳細な作動性能を調べており、高性能型プラズマ溶射ガンとしての特徴を明らかにしつつある。 2.反応場のプラズマ基礎量及び飛行溶射粒子の諸量の測定 高性能型プラズマ溶射ガンは開発中であるゆえ、すでに開発したデュアルノズル陽極型プラズマ溶射ガンと本科学研究費で購入した分光器を用いて大気中でのTi粉末(サイズ53〜75μm)溶射時のプラズマ流および飛行Ti溶射粒子の温度測定を行い以下の基礎資料を得ている。 (1)Ti粉末を注入する位置におけるプラズマ流中心軸の温度は20,000K前後であり、熱出力が2kW程度でも12,000Kを維持している。Ti粉末注入時においてもプラズマ流の温度低下は2,000K程度である。 (2)飛行Ti粒子温度は融点(3,525K)以下であり、注入位置から軸方向に離れるに従って低下し、200mm離れた位置では約1,200Kを維持している。 (3)大気中での溶射であるため、TiO_2粒子が合成され、サイズ30μm以下の球状を呈している。
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