1. サイズの大きなDNAの固定と解離性付着の実験 断片化の観察を容易にするためサイズの大きなDNAを光学マッピングする方法を確立した(バクテリア・ファージから煩雑な操作なしにそれらのDNAを直接マッピングした。20nmアルミナ膜上に架橋剤で固定したバクテリア・ファージを付着・乾燥、再び水で膨張・破裂させる。飛び出したDNAは乾燥による毛管力で膜上に伸長される)。膜片面に金薄膜を蒸着し紫外線を全反射条件で照射して生成した光電子による電子付着解離を試験したが断片化には成功していない(光電子・DNA密度がともに低いためであると考えられる)。 2. フィルムドープDNAの光電子による解離性付着の実験 カチオン性ポリマーと複合体を形成し疎水化されたDNAと金コロイド粒子ともにPMMA膜にドープし水銀ランプ紫外線による光電子の解離性付着を検討した。ポリビニル硫酸添加により回収されたDNAを電気泳動によりサイズを確認したが、サイズが小さくなっているようであるが回収率が悪く再現性が得られていない。紫外線による損傷のほうが大きいと思われるためレーザー光(390nm)による2光子イオン化による光電子発生を検討している。
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