研究概要 |
1.クラスタービームを作成するために冷却装置付クラスター発生装置を製作した。ノズルの穴径は30μm、1段目のスキマーは0.4mm径、2段目は1mm径にした。ノズルは、-100℃まで液体窒素によって冷却可能である。Arガスを用いて性能テストを行なった結果、ダイマー、トリマーなどのクラスターの生成が確認された。 2.SPring-8の直線偏光した単色軟X線を用いて、CO_2分子の分子軸に対するO1s光電子の角度分布を測定した。その結果、対称分子であるはずのCO_2から放出される光電子に、電子放出されたO原子のサイトに偏った角度分布が見られた。[J.Phys.B 38,L277-L284(2005)] 3.高時間分解能(時間スパン40μsに対して120psの分解能)のTDCを用いた測定システムを完成させ、光電子の振動準位を分離して測定することが可能となった。[J.Electron Spectrosc.Relat.Phenomena 144-147,255-257(2005)] 4.SPring-8の直線偏光した高分解能単色軟X線を用いて、CO_2分子の分子軸に対するO1s光電子を高エネルギー分解能で角度分布の測定に成功した。しかし、角度分布に分子の振動順位依存性はあまり見られなかった。[Phys.Rev.Lett. 72,042717(2005)]
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