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2005 年度 実績報告書

電子親和力の高い複素環を有する新規有機酸化還元系の合成とEL素子への応用

研究課題

研究課題/領域番号 17550033
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

齋藤 勝裕  名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (00089096)

研究分担者 大北 雅一  名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (60211786)
小野 克彦  名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (20335079)
キーワード構造・機能材料 / 合成化学 / 先端機能デバイス / 高分子合成 / 有機導体
研究概要

有機EL素子の研究においてキャリア輸送材料の開発は非常に重要であり、さまざまな有機材料の合成研究が行われている。これは発光層へのホールと電子の注入バランスが再結合(発光)効率に強く影響を及ぼすためである。今までに開発されてきた物質の多くはホール輸送材料のため、電子輸送材料の合成研究は近年主要な課題となっている。そこで我々は、電子親和力の高い複素環構成ユニットをもつ有機酸化還元系を合成し、新規な電子輸送材料の開発を行った。本研究課題では、電子輸送性の高いユニットをもつ(1)新規配位子、(2)新規オリゴマー・ポリマー、(3)新規マクロサイクルの合成に焦点を絞り、研究を行った。
1.新規配位子および錯体の合成研究
(1)ジアザフルオレン化合物は高いホールブロック性を有するものの、電子輸送性が低いことが課題である。そこでdirect arylationを用いたπ電子拡張を行った。現在、EL素子を作製中であるが、電子親和力が上昇していることが分かった。
(2)新しいπ電子系として5,10-ジヒドロ-1,9-ジアザシラントレン骨格に着目し、誘導体の合成研究を行った。この結果、一般的な電子輸送材料を用いた素子と比較して、高い発光効率が観測された(Chem.Lett.,2005,34,1698)。
2.新規オリゴマー・ポリマーの合成研究
電子親和性の高いオリゴマーとして、1,3,4-オキサジアゾールとナフタレンの共重合体の合成を行った。分子鎖が異なる構造異性体の合成に成功し、分子構造が電子輸送性に与える影響を調査した。
3.新規マクロサイクルの合成研究
1,3,4-オキサジアゾールを有するマクロサイクルの合成研究を行った。非環状分子と比較して電子的性質には違いがみられなかったものの、物理的性質に大きな差が観測された。これはマクロサイクル構造によって強いπ…π相互作用を有する分子配列が構築された結果である。この影響はEL素子のキャリア輸送特性に顕著な差となって現れた(Macromol.Chem.Phys.,2005,206,1576)。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Macrocyclic and Acyclic Bis(2,5-diphenyl-1,3,4-oxadiazole)s with Electron-Transporting and Hole-Blocking Ability in Organic Electroluminescent Devices2005

    • 著者名/発表者名
      Katsuhiko Ono et al.
    • 雑誌名

      Macromolecular Chemistry and Physics 206

      ページ: 1576-1582

  • [雑誌論文] Synthesis and Carrier-transporting Properties of 5, 10-Dihydro-5,5-dimethyl-10,10-diphenyl-1,9-diazasilanthrene2005

    • 著者名/発表者名
      Katsuhiko Ono et al.
    • 雑誌名

      Chemistry Letters 34

      ページ: 1698-1699

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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