研究概要 |
超原子価6配位炭素種(12-C-6)をチオキサンテン環を1,3位にもつアレンを合成し、過剰のヨウ化メチルとカルボラン銀を用いて2個の硫黄原子をジメチル化することにより、世界で初めての化学種として得た。この結晶化に成功し、X線回折により、詳細な構造を決定した。炭素と4個の酸素間に、AIM解析によりbond pathが認められたことにより、超原子価6配位炭素種(12-C-6)であると言える。この成果は、日本化学会の年会で、広報委員会により選ばれ(約6,000件中の15件のうち)、報道陣に発表された。超原子価6配位炭素種(12-C-6)をキサンテン環を1,3位にもつアレンを合成し、2個の酸素原子をジメチル化する試みは成功していない。 超原子価6配位リン化学種(12-P-6)であるホスホラニドアニオンはフェナントレンキノンとの付加体を単離し、X線により構造決定し、その溶液中における解離平衡を検討した。その他、ホスフィニドアニオンと共役ケトンおよびアルデヒドとの共役付加反応を種々検討した。
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