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2006 年度 実績報告書

有機金属ヒドリドデンドリマー錯体の光酸発生と共役した高効率水素発生

研究課題

研究課題/領域番号 17550058
研究機関大阪大学

研究代表者

末延 知義  大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (90271030)

キーワード触媒・化学プロセス / 光物性 / 水素 / 超分子化学 / ナノ材料 / 光酸発生剤 / 低原子価金属 / 時間分解
研究概要

水素・酸素燃料電池は、環境汚染物質を排出することなく水素が持つ化学エネルギーを高効率に電気エネルギーに変換できるため、国の内外で実用化に向けた研究開発が強力に押し進められている。しかし、水素の持つ潜在的危険性を考えると、安全で安価な触媒的オンサイト水素発生法が強く求められている。研究代表者は、可視光照射で有機金属イリジウムヒドリド錯体(1)の金属-ヒドリド結合が不均一化開裂してプロトン解離すること見いだし報告している。また、1の高濃度水溶液中、可視光照射に素早く応答して水素発生することを見いだしている。本研究では、1をデンドリマー化して1の局所濃度を増すことで高効率な光水素発生触媒サイクルを構築することを目的として研究を行った。前年度は太陽光有効利用を目指した1の複核錯体化を行ったが、その過程で偶然にも、光を必要とせず常温常圧の元で非常に高効率な熱反応による触媒的水素発生を可能にする新規多核錯体を発見するに至った。この新規触媒の水素発生機構を解明するとともに、その水素発生機能を特許出願した。各種遷移金属錯体と1との複核金属ヒドリド錯体を新規に合成し、ヒドリド錯体の反応速度の、錯体や基質濃度依存性から水素発生機構を解明し、これを元に触媒的水素発生サイクルを構築した。新規に合成した各種有機金属ヒドリド錯体について、レーザー時間分解過渡吸収スペクトルによるMLCT励起状態からの脱プロトン化過程の観測とその速度論解析を行った。通常、強酸と強塩基の熱反応の反応速度は拡散速度近くに達するために実験的直接観測は困難であるが、本研究では可能であることを見出した。市販の、表面に末端アミノ基を有する各種世代のポリ(アミドアミン)デンドリマーを用い、これを文献既知の手法によりアミド結合を介してをデンドリマー表層に2,2'-ビピリジンを有するデンドリマーとした。これを多核金属錯体化して水素発生反応に用いた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 産業財産権 (2件)

  • [雑誌論文] Binding Modes in Metal Ion Complexes of Quinones and Semiquinone Radical Anions : Electron-Transfer Reactivity2006

    • 著者名/発表者名
      Suenobu, T. et al.
    • 雑誌名

      ChemPhysChem 7・(4)

      ページ: 942-954

  • [雑誌論文] Formation of Dinuclear Organoiridium Hydride Complexes and the Deprotonation under Irradiation with Visible Light2006

    • 著者名/発表者名
      Suenobu, T. et al.
    • 雑誌名

      IUPAC XXIst International Symposium on Photochemistry

      ページ: 368

  • [産業財産権] ギ酸分解用触媒、ギ酸の分解方法、水素製造方法、ギ酸製造および分解用装置、水素貯蔵および発生方法2006

    • 発明者名
      末延知義, 小江誠司, 福住俊一
    • 権利者名
      大阪大学
    • 産業財産権番号
      特願2006-311072
    • 出願年月日
      2006-11-17
  • [産業財産権] Metal Hydride Complex Photoacid Generator2006

    • 発明者名
      T. Suenobu, S. Fukuzumi, S. Ogo
    • 権利者名
      JST
    • 産業財産権番号
      PCT Int. Appl. WO 2005030784
    • 出願年月日
      2006-03-28

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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