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2006 年度 実績報告書

新規水素貯蔵材料low-Z三元系水素化物の超臨界水素による合成

研究課題

研究課題/領域番号 17550067
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

中野 智志  独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ物質ラボ, 主幹研究員 (50343869)

研究分担者 中山 敦子  独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ物質ラボ, 特別研究員 (50399383)
キーワード水素 / 超臨界 / 水素化物 / 超高圧 / 分光 / X線回折
研究概要

2006年度は、昨年度導入された高温高圧ダイヤモンド・アンビル・セルに冷却機構を取り付けるなど、いくつかの改良を行った上で、本研究の主眼であるLiBeH_3の合成に着手した。その高温高圧セルに、出発試料であるLiHとBeの混合粉末および水素圧力媒体を封入し、圧力10GPa、温度400℃までの高温高圧実験を行った。その結果、出発試料の他に新たな生成物が再現性良く認められたため、この生成物について、現在X線回折およびラマン散乱分光で解析を進めている。しかしながら、未反応出発試料が多く残存するため評価に困難があり、より高温条件での反応促進と単相化を試みている。
また、本研究のターゲット物質LiBeH_3の関連物質である、LiBH_4とLiAlH_4の高圧挙動についても、基礎的な研究を行った。LiBH_4は常圧で斜方晶(Pnma)構造をとるが、室温での高圧その場X線回折実験により、約1GPaで六方晶系をとる高圧相Iへ、約16GPaで正方晶系をとる高圧相IIへと圧力誘起相転移を起こし、その後は圧力とともにNaBH_4と同様の立方晶(Fm-3m)構造に近づくことが明らかとなった。またこの結果は、第一原理計算の結果と大きく異なり、low-Z三元系水素化物の物質設計において実験が重要であることを示している。LiAlH_4についても同様の実験を行い、1.6GPa以下で単斜晶系(P2_1/c)から正方晶系(I4_1/a)への相転移が起こることが明らかになった。この高圧相はNaAlH_4常圧相の構造と同様である。これらの結果は、新規low-Z水素化物の物質設計と圧力の効果について、重要な基礎情報となると考えている。
当初の目的であった高結晶性LiBeH_3の合成というゴールに対してはまだ途上にあるが、次年度中には高温下による反応促進と生成物の解析の進展により、一定の結論が出ると考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] High-pressure Brillouin scattering of amorphous Beh_22006

    • 著者名/発表者名
      M.Ahart
    • 雑誌名

      Journal of Chemical Physics 124・1

      ページ: 14502-14506

  • [雑誌論文] LiBH_4の圧力誘起構造変化2006

    • 著者名/発表者名
      中野智志
    • 雑誌名

      超高圧の科学と技術 16巻・特別号

      ページ: 20

  • [雑誌論文] Structural Phase Transition of Rutile-Type MgH_2 at High Pressures2006

    • 著者名/発表者名
      Toru Moriwaki
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan 75・7

      ページ: 74603

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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