研究課題
金および白金ナノ粒子径を制御する触媒調製法が開発され、低温CO酸化反応について顕著な金粒径依存性が、CO部位選択水素化や選択水素化分解反応について、白金ナノ粒子へのすず添加法・添加量・水素処理温度による選択性向上が報告されている。本研究では、これら触媒活性点の重元素サイト構造について調べた。Pt-Sn/SiO_2触媒でのすずの効果は、(i)カチオン的すずがCO部位と相互作用をもつ、および(ii)Ptアンサンブルを分割して2次反応/副反応を抑止する、と推定されている。Sn K吸収端は29.2keVと高エネルギーのためスペクトルがブロード化し、定性的な応用に限られてきた。SPring-8のアンジュレーター高輝度光を用い、Sn Kα_1蛍光分光(エネルギー分解能5.0eV)を組み合わせたXAFS測定により、Sn K空孔寿命自然幅8.49eVによるブロード化を受けないXANESスペクトルを得た。幅8.49eVのローレンツ関数によるコンボルーションで、このスペクトルは透過法XANESへと変換された。次に、Pt-Sn合金・吸着Snサイト・相分離の各種モデルについてab initio SCF多重散乱計算により算出したSn K端XANESとの比較により、高分散Pt[-Sn]ナノ粒子への吸着Snサイトが支配的で、電子状態はSn^<II>的であると分かった。Deposition-precipitation法によりAu/mesoporous-TiO_2およびAu/anatase-TiO_2触媒を調製し、エネルギー分解能4eVでAu Lα_1ピークのトップおよび低エネルギー側1/3値の裾野に蛍光分光器をチューンして、Au L_3端XANESを測定した。1/3値チューン時に他とは異なるスペクトルが得られ、ナノ粒子と担体TiO_2との界面のカチオニックAuが選択検出されたと考え、解析を進めている。
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