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2005 年度 実績報告書

溶存シリカ化学種による東京湾の海水環境とシリカの環境に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17550074
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京海洋大学

研究代表者

高橋 美穂 (田中 美穂)  東京海洋大学, 海洋科学部, 助手 (30236640)

キーワードシリカ / 溶存化学種 / FAB-MS / 海水 / ESI-MS
研究概要

研究代表者は、これまでにFAB-MSを用いて海水などの天然水を対象として、そのシリカの溶存化学種を分析する方法を確立し、シリカ化学種の相対強度比と溶液の化学的性質との関連性を明らかにしてきた。特に、溶液における塩析現象について、環状シリカと直鎖状シリカの相対存在度が共存陽イオン・陰イオンなど化学的環境を反映していることを明らかにした。また、塩析を起こす濃度である、塩化ナトリウム0.5mol dm^<-3>がちょうど海水の塩濃度にあたることから、海水の性質によりシリカの化学種の相対強度に大きな変化を与えることも分かってきた。
平成17年度は、研究としては東京湾の海水を数カ所、毎月採水し、東京湾海水中の深度に対するシリカの溶存化学種の変化、またその季節変化を明らかにした。その結果、海水中のけい藻がシリカとして摂取できる化学種は、2量体と直鎖状4量体が主であり、ナトリウムイオンがイオン交換した1量体のシリカや環状4量体はその存在量が多い割に摂取されないことを明らかにした。また、海水中のシリカの相対強度比を用いて、海水塊の特質を明らかにした。すなわち、海水において、シリカの相対強度比から、海水の由来、挙動を明らかにできることがわかった。研究報告としては、これまでのシリカ化学種の存在度分布と溶液の化学的性質との関連性についての溶液化学の基礎的データをまとめ、論文に報告した。加えて、天然水として温泉水などのシリカの溶存化学種を測定し、温泉の沈殿物である魚卵状シリカの生成機構について検討した。また、塩類化土壌における塩とシリカの移動の関係も報告した。
さらに、研究として、ESI-MSを用いて、鉄、アルミニウム、マンガンなどの金属の極微量の濃度における測定方法を検討し、その基礎的な溶存状態に対する考察もはじめた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Identification of chemical species of silica in natural hot spring water using fast atom-bombartment mass spectrometry.2005

    • 著者名/発表者名
      Miho Tanaka, Kazuya Takahashi
    • 雑誌名

      Instrumentation Science & Technology 33

      ページ: 47-50

  • [雑誌論文] Characterization of silicate complexes in Aqueous sodium sulfate solution by FAB-MS.2005

    • 著者名/発表者名
      Miho Tanaka, Kazuya Takahashi
    • 雑誌名

      Journal of Solution Chemistry 34(6)

      ページ: 617-630

  • [雑誌論文] マンガン団塊の年輪構造に沿った元素分布と環境変動に対する考察2005

    • 著者名/発表者名
      島田藍, 田中美穂*, 隈倉真, 高橋和也
    • 雑誌名

      分析化学(若手研究者の初論文特集) 54(10)

      ページ: 945-952

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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