• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

プロトン拡散速度の赤外分光計測手法の開発と硫酸水素セシウム結晶多形への適用

研究課題

研究課題/領域番号 17550091
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

山脇 浩  独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (10358294)

キーワード赤外分光 / プロトン伝導体 / 無機固体酸 / 相互拡散係数 / 高圧力 / 重水素イオン
研究概要

硫酸水素セシウム(CsHSO4)に対して、水素イオンと重水素イオンの相互拡散過程におけるO-H、O-D結合の空間分布の経時変化を赤外分光測定により追跡することで相互拡散係数を求めることを目的として、今年度は、温度・圧力による相状態の確認、測定条件・解析方法の改善を行い、硫酸水素セシウムのプロトン拡散係数の圧力依存性を測定した。
まず、赤外およびRaman散乱分光により硫酸水素セシウム各結晶相における水素結合状態を調べた。既報と相境界が異なることがわかり、新たな温度-圧力状態図を作成した。その結果、室温高圧下においては新しく見出したHPHT1,HPHT2相が安定相である可能性が高くなった。昨年度において高圧下でも計測可能な赤外分光セルを整備したので、今年度は水素結合ネットワークの変化にともなう拡散係数の変化を明らかにするために、圧力を変えて硫酸水素セシウムの拡散係数の圧力依存性を求めた。前述のHPHT1,HPHT2相も含む3GPaまでの圧力範囲で100℃での拡散係数を赤外マッピング測定から求めた。II相においては圧力変化はほとんど無いが、1.5GPaでHPHT1相に転移すると拡散係数が減少し、HPHT2相でも同程度の低い拡散係数を示すことが明らかとなった。HPHT2相の粉末X線回折測定を行い構造決定を試みている。
拡散速度計測の高感度化のための表面増強赤外効果の検証においては、基板上に硫酸水素セシウム薄膜を作成するために蒸着金属や溶媒種類等の検討を行い、硫酸水素セシウムに由来すると考えられる増強された赤外ピークを検出した。このピークの帰属や再現性の確認を行っている段階である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Vibrational spectra of CsHSO4 at high pressure and high temperature2007

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Yamawaki
    • 雑誌名

      Phys.Rev.B 75

      ページ: 94111

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi