研究課題
基盤研究(C)
1.Friedel-Crafts反応は、ルイス酸触媒の代表的求電子付加反応であるが、詳細な反応機構の解明はまだである。代表的なルイス酸、Al_2Cl_6の架橋からの触媒能力の発現のしかた、Wheland中間体よりのプロトン脱離の駆動力、素過程、律速段階を検討する目的で研究を行った。まず、ベンゼンの塩化アセチルとの塩化アルミニウム存在下でのFriedel-Craftsアシル化反応を、密度汎関数法(RB3LYP)と基底関数6-31G*を使用して計算を行った。その結果、素過程を解明した。はじめにカルボニル酸素がAlに配位し、生成した錯体がアシリウムイオン中間体(π錯体)に異性化し,さらに求電子付加が起こりWheland中間体(σ錯体)となり、生成物へ至る経路が求められた。現在、Friedel-Craftsアルキル化反応についても検討中である。2.ケイ素-ケイ素二重結合を持つジシレンに対して、アルコール分子がどのような経路を通じて付加反応を起こすかを調べた。密度汎関数法(RB3LYP)と基底関数6-31G*及びONIOM法を使用して、テトラメチルジシレンとテトラメジチルジシレンを反応基質とした計算を行った。アルコールとしてメタノール、トリフルオロメタノールおよびフェノール類を用いた。従来、ジシレンとアルコールが1分子同士が会合し、4中心型の遷移状態を通ると考えられてきたが、アルコール分子同士は水素結合でつながり、2または3量体としてジシレンと会合する可能性がある。今回、ジシレンとアルコール分子1-3個の反応経路を求めた。1個より2個の付加経路のほうが、活性化自由エネルギーが小さい。3個では反応先が付加体ではなく双性イオンにとどまった。Si=Si上で、アルコール分子3量体では付加中心である共有結合生成の方向性が悪い。以上、水素結合の直線性を保持する経路が有利であることが判明した。
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