研究概要 |
(1)N-tert-ブチルカルボニルサルコシンをベンジルエステル化し,トリフルオロ酢酸にてN-tert-ブチルカルボニル基を脱離させた化合物を,N-tert-ブチルカルボニル-β-シクロヘキシル-L-アスパラギン酸と縮合し,対応するジペプチドを得た。このジペプチドのベンジル基を水素添加により脱離し,得られた化合物とN-ヒドロキシコハク酸イミドを縮合した。生成物のN-tert-ブチルカルボニル基を脱離して得られた化合物を炭酸ナトリウム存在下クロロホルム中還流加熱し,生成物のエステル部分を加水分解することにより,フリーのカルボキシ基を有する非対称型のジケトピペラジンを合成した。平成18年度はこの化合物とジアミンの縮合体と,ジカルボン酸との重縮合を検討する予定である。 (2)サルコシンエチルエステル・トリフルオロ酢酸塩とN-tert-ブチルカルボニル-D-ヒドロキシフェニルグリシンを縮合し,対応するジペプチドを得た。このジペプチドのN-tert-ブチルカルボニルをトリフルオロ酢酸により脱離し,トリエチルアミン存在下,2-メチル-1-プロパノール/メシチレン中還流加熱し,ヒドロキシフェニル基を有する非対称型のジケトピペラジンを得た。この化合物のフェノール性水酸基をトリフルオロメタンスルホン酸エステル化した後,生成物をパラジウム触媒存在下,トリメチルシリルアセチレンとカップリングした。得られた化合物をヨウ化テトラブチルアンモニウムで処理することにより,エチニルフェニル基を有するジケトピペラジンを得た。平成18年度はこの化合物と1,3,5-トリブロモベンゼンとのカップリングを行い,得られる化合物の集積構造を検討する予定である。
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