研究概要 |
平成17-18年度には以下の研究成果が得られた。 1)メソ細孔材料を利用する耐熱・保湿性リン酸プロトン伝導ゲルの研究開発 硫酸、硝酸、塩酸を吸着したFSM-10,FSM-16およびFSM-37メソ細孔材をカルシウムリン酸ゲル膜に複合した場合のプロトン伝導度10〜50倍に増大してNafion^【○!R】膜に比べて高いプロトン伝導度が得られた。リン酸や硫酸の吸着量やメソ細孔径が及ぼすプロトン伝導度の増大に関する固体NMRデーター解析を行った結果、メソ細孔内でのプロトン伝導は、吸着ブレンステッド酸濃度よりは、メソ細孔壁のシリケートスルフォン酸基を経由するプロトンホッピング機構に基づくことを推定した。 2)多孔質酸化物材料を利用するMoカーバイド担持白金触媒の作成と有機ハイドライドの水素供給性能評価 メソ細孔シリカ材料(FSM-16)およびアルマイトモノリス基板にモリブデン酸アンモニウム塩から含浸担持し500℃焼成後、メソ細孔内壁やアルマイト表面にMoO_3をコートした多孔質複合酸化物材料を作成した。これに0.5-2.5%白金担持触媒を調製した。250-350℃でメチルシクロヘキサンの脱水素化反応を調べた結果、水素生成速度は、白金のみの担持触媒に比べてMo2C複合白金担持触媒の方がPt当たりの活性が約3-10倍増大することがわかった。 作成された硫酸・硝酸を吸着したメソ細孔材料と複合したリン酸カルシウムゲル膜を利用した燃料電池を組み立ててイソプロパノールを用いて60℃,80-150mW/cm^2出力性能を再確認するとともにハイブリッドメソ細孔材料を利用する有機ハイドライドマイクロ燃料電池に関する研究成果のとりまとめを行った。
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