研究課題/領域番号 |
17550129
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山内 淳 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10027071)
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研究分担者 |
田村 類 京都大学, 大学院・地球環境学堂, 教授 (60207256)
高橋 弘樹 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助手 (00321779)
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キーワード | キラル有機分子 / ラジカル液晶 / ESR / 磁化率 / 磁気物性 / 二トロキシド ラジカル |
研究概要 |
新規キラル有機ラジカル液晶として、キラルな二トロキシドラジカル部位をコアに含むキラル有機常磁性液晶の合成に成功した。このラセミ体あるいは非ラセミ体液晶相転移を光学測定により決定したところ、コアにつく直鎖分子による違いはあるが、65〜110℃でネマチック相(N相)、を示すものに加えて、その途中にスメクチック相(SmC相)を示すものが見出された。また、これらのESRのg値は液晶相転移に伴って減少し、NO軸が磁場に垂直(分子長軸が外部磁場に平行)に配向することが結論された。SS体ではネマチック相のらせん構造(N^*相)となり、g値の温度変化はないことがわかった。このことは、らせん構造が外部磁場による分子配向を阻害していることを示す。 一方ESRの線幅は、相転移後交換相互作用が弱くなり、磁気双極子相互作用が効いてきて、大きくなることがわかる。また、昇温と降温に伴って線幅は異なることも見出された。 SQUID測定(磁化率χ)とその温度変化χTはESR強度変化に対応しているが、興味あることは相転移に伴い磁化率が増大することが見出された。 SmC相では結晶多形が出現していることも結論された。 常磁性液晶分子のセル中でのキャラクタリゼーションも興味あるデータを示すことを見出した。セル中で分子を配向させたESRの角度依存性の実験から、特異な配向特性・配向異方性が初めて導出され、これらの分子を機能性材料として生かせる可能性があることを発見した。 最後に、液晶構造により分子の配向に違いが見出されたことを指摘しておく。すなわち、SmC相では、N層とは異なり、NO軸が磁場に平行(分子長軸が外部磁場に垂直)に配向する。ここで見出された特徴は外部磁場に対する分子配向を支配する要因として今後解析しなければならないテーマである。
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