研究課題/領域番号 |
17550129
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研究機関 | 有限会社ミネルバライトラボ |
研究代表者 |
山内 淳 有限会社ミネルバライトラボ, マイクロ波応用計測部, 主任研究員 (10027071)
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研究分担者 |
田村 類 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (60207256)
高橋 弘樹 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教 (00321779)
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キーワード | キラル有機分子 / 常磁性液晶 / 強誘電性液晶 / ニトロシド ラジカル / ラジカル液晶 / 磁気物性 / 磁化率 / ESR |
研究概要 |
今年度は3年にわたる研究の最終年度として、ニトロキシドラジカルをコアに含むキラル有機ラジカルの新規合成よりも、電場印加効果の研究を集中的に行った。これまで、表面安定化液晶セル中における常磁性液晶分子のESR挙動を追求し、g値の角度依存性においてキラルネマティック相のらせん配向の違いを確認している。特に、表面安定化液晶セル中にて強誘電性を発現することがわかり、今年度の研究では電気磁気効果の観点から電圧印加の成果をえた。 重要な結果は以下の通りである。 (1)電圧印加状態でのESR測定の工夫を行った。すなわち、ITO電極をキャビティーの外部へ引き出すよう工夫し、電極間10μmで、30V程度の電圧印加を可能にした。また、電場の正負も変えられるようにした。 (2)電圧印加前にはg値の触れ幅が小さいが、印加後ではその変化量は大きくなった。特に、正電圧印加と負電圧印加を繰り返すことによりそれが強調されることを見出した。 (3)正電圧印加と負電圧印加でのg値の角度変化に違いが認められた。 (4)電圧印加に対する分子応答の時間的変化の基礎データをえた。 以上の結果より電圧の印加による分子の配向の変化が認められる。 磁場効果については、ESRのバンド依存性を測定できなかったので、詳細な検討は今後の問題であるが、Xバンド測定(約300mT)の効果があるようであり、磁場・電場方向の競合性あるいは協調性にある程度の目処をえることができた。
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