C_<60>-ドナー連結化合物やC_<60>ナノクラスター-メチルフェノチアジン(MePH)系の溶液系における磁場効果の応用として、C_<60>ナノクラスター-MePH系を金電極に担持した修飾電極を作製した。磁場を印加するとこの修飾電極の光電流が増加した。 C_<60>ナノクラスター-MePH系の溶液をマイカやITO基板に滴下し、乾燥過程に強磁場(8T)を印加して、クラスター形状と酸化還元挙動に及ぼす磁場の影響を検討した。強磁場(8T)を印加した時のAFM像には、無磁場の場合とは異なる形状のクラスターが確認された。加えて、磁場の有無によりC_<60>由来の還元ピークが著しい変化を示した。 単層カーボンナノチューブ(SWNT)やSWNTをポリマーでラッピングした複合体のマイカやガラス基板上での磁場配向について、AFM測定によって検討を行った。AFM像には、無磁場の場合ではSWNTや複合体がランダムに配向している像が観測された。これに対して、8Tの強磁場を基板に対して平行に印加すると、基板上のSWNTや複合体の長軸を磁場方向に対して平行に配向した像が観測された。以上より、強磁場によるSWNTや複合体の磁場配向が起こっていることが明らかになった。 Zn_<1-X>Mn_XSナノ粒子を石英基板上にSAMによって固定する際に、磁場を印加した場合としない場合の比較を行った。磁場印加プロセスを行った薄膜では、印加しない場合に比較して、薄膜からの発光の偏光度が大きくなった。偏光度の増加率は磁場強度およびMnの含有量(X)によって増加した。. MEHPPVとSWNTの複合体が強磁場によって配向できることを明らかにした。そこで、光増感剤であるMEHPPVやRu(bpy)_3^<2+>とSWNTの複合体をITO電極に修飾した電極を作製した。これらの修飾電極は光増感剤の吸収に対応した光電流が発生するとともに、SWNTが電子リレーの役割を果たしていることがわかった。
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