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2006 年度 実績報告書

CO選択酸化触媒をハイブリッドした自浄機能を備えた燃料電池電極の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 17550136
研究機関埼玉工業大学

研究代表者

田中 虔一  埼玉工業大学, 先端科学研究所, 特任教授 (00016718)

研究分担者 巨 東栄  埼玉工業大学, 工学部, 教授 (10255143)
伊藤 正時  慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (80005438)
キーワードPROX触媒反応 / CO選択酸化 / FeOx / Pt / TiO2触媒 / H2Oの触媒作用 / FeOx / Au / TiO2触媒 / PROX反応機構 / CO酸化反応中間体 / 水素燃料電池
研究概要

H_2中のCOを選択酸化するPROX(preferential oxidation)触媒としてはRu, RhがPtより優れた特性を持っていることは衆知でありRu/Al_2O_3をベースとしたものが実用触媒として使われている。高分子電解質膜水素燃料電池(PEMFC)に使われる水素ではCO濃度は電極の耐被毒性の限界から10ppm以下にする必要がある。COの被毒に強いPt-Ru電極でも50ppmのCOを含む水素を用いた場合には出力低下が著しいと報告されている。そのため、メタノールや炭化水素の改質で得た原料水素のCO(5,000〜10,000ppm)を10ppm以下まで低減するPROX(preferential oxidation)触媒の開発が重要となる。現在、定置型水素燃料電池で使われているPROX触媒はRu/Al_2O_3あるいはRuPt/Al_2O_3触媒であり130℃付近で使われている。本研究は従来に無い視点からRu以外の新しいPROX触媒の開発を行ない、室温でも高い活性を示すPROX触媒FeOx/Pt//TiO2の開発に成功した。即ち、1wt.%のPt/TiO2にTiO2同等あるいはそれ以上のFeOxを被せることで元のPt/TiO2とは比較にならない高活性と高選択性が得られ、室温でも速い速度でCOを選択酸化するが、燃料電池の作動温度80Cで最も高い活性を示すので電池と一体化して機能させることが可能になる。なぜFeOxを多量に被せると活性になるかのメカニズムを18年度の研究で明らかにできた。拡散反射フーリエ変換赤外分光法により明らかになった反応機構は、これまでに考えられたことのないH2O分子の触媒作用という新しい触媒反応機構であった。COとH2の競争反応で説明される機構とは本質的に異なり、COの酸化反応は(HCOO)を中間体として進むことがしめされ、H2Oは中間体(HCOO)の生成と分解を促進し、しかも繰り返し反応に関与することで選択性が高くなっていることが分かった。Auの触媒作用もこの機構で働いていることが示され、3nm以下の微粒子でなくてもFeOxを被せることで著しく活性になることを明らかにした。このような反応機構は水素燃料電池の動作条件と近いので、この新触媒を燃料電池と一体化させ機能させる研究を進めている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (7件)

  • [雑誌論文] Activation of Pt/TiO_2 Catalysts by Structural Transformation of Pt-Sites.2006

    • 著者名/発表者名
      Xiaoyan Shi, Changbin Zhang, Masashi Shou, Hong He, Shinichi Sugihara, Ken-ichi Tanaka
    • 雑誌名

      Catalysis Letters 107

      ページ: 1-4

  • [雑誌論文] Site selective adsorption of C_2H_5OH and NO depending on the local structure or the local electron density of a Si(111)-7x7 surface2006

    • 著者名/発表者名
      Hui-Juan Liu, Zhao-Xiong Xie, Hiroaki Watanabe, Jiuhui Qu, Ken-ichi Tanaka
    • 雑誌名

      Physical Review,B 73

      ページ: 165421-7

  • [雑誌論文] Activation of a Au/TiO_2 catalyst by loading a large amount of Fe-Oxide-Oxidation of CO enhanced by H_2 and H_2O-,2006

    • 著者名/発表者名
      Masashi Shou, Hiroyuki Takekawa, Dong-Ying Ju, Tokio Hagiwara, Ken-ichi Tanaka
    • 雑誌名

      Catalysis Letters 108

      ページ: 119-123

  • [雑誌論文] FeOx/Au/TiO_2 触媒の活性化とCO酸化反応に対するH_2の促進効果2006

    • 著者名/発表者名
      庄将志, 竹川裕幸, 巨東英, 萩原時男, 田中虔一
    • 雑誌名

      触媒 48

      ページ: 98-100

  • [雑誌論文] H_2が促進するCO酸化反応の中間体,FeOx/Pt/TiO_2触媒の反応中の赤外スペクトル,2006

    • 著者名/発表者名
      田中虔一, 庄将志, 石暁燕, 賀 泓
    • 雑誌名

      触媒 48

      ページ: 442-444

  • [雑誌論文] Significant Enhancement of the Oxidation of CO by H_2 and/or H_2O on a FeO_x/Pt/TiO_2Catalyst,2006

    • 著者名/発表者名
      Ken-ichi Tanaka, Masashi Shou, Hong He, Xiaoyan Shi
    • 雑誌名

      Catalysis Letters 110

      ページ: 185-190

  • [雑誌論文] H_2 and H_2O on a FeO_x/Pt/TiO_2 Catalyst,2006

    • 著者名/発表者名
      M.Shou, K.Tanaka
    • 雑誌名

      Catalysis Letters 111

      ページ: 115-118

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2014-01-10  

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