研究課題
基盤研究(C)
バクテリアによる生分解では全く分解しない化学物質は廃棄処理した後、河川や湖底に蓄積され、動植物の生態系に深刻な影響を与えている。残留性有機汚染物質(POPs)の無害化に焦点を絞り研究を行った。難分解性物質や水に難溶性物質を種々の光触媒と紫外線照射の条件下で分解を行った。(1)難分解性物質のトリアジン系農薬であるアトラジンの二酸化チタンによる光分解では、最終的にシアヌル酸を生成し、その後の分解は進行しない。酸化亜鉛を用いてシアヌル酸の光分解を行ったところ、トリアジン環が開環し、二酸化炭素と硝酸イオンまで最終的に無機化することに成功した。さらに、オゾンと二酸化チタン触媒を併用し、トリアジン系化合物を高収率で分解できた。(2)塩素・フッ素安息香酸誘導体の光触媒分解反応を行った。脱フッ素反応は困難でフッ素イオンは生成しない。C-F結合がC-C1結合より強いためである。ベンゼン環の開環反応は容易に起こり、ギ酸や酢酸を経由して二酸化炭素に至る。塩素およびフッ素基の置換位置が異なる誘導体において、m-位の化合物はo-位およびp-位に比較して脱塩素反応は遅い。TOF-MSによる質量分析によってC-F基をもった中間酸化生成物を同定した。(3)フッ素系界面活性剤(PFCA,PFSA)はC-F結合が強く、二酸化チタンではフッ素イオンまで無機化が進行しない。均一光触媒であるポリタングステン酸では微量しか壊れず、分解率が低かった。フッ素含有化合物を効率的に短時間で分解する触媒および高度酸化技術(UV/O_3併用)の開発を行った。酸化亜鉛では分解を促進できた。以上・難分解性化合物の分解反応の最適実験条件(光強度、波長、触媒量、pH)を検討し、詳細な無機化にいたるメカニズムを解明することは意義があり、水質環境浄化に寄与すると思われる。
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