研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、デバイス培養の細胞を用いる生体関連物質の生物活性評価技術の開発である。実験には免疫関連の白色脂肪細胞、単核細胞及び繊維芽細胞と、腸内細菌科のErwiniaリポ多糖のリピドAなど、機能解析法の未確立な糖類を用いた。生物活性は培養細胞にリピドAを作用させたときの、炎症性サイトカインTNF-αの生産挙動により調べた。また、細胞に選択的に結合する蛍光性金属酸化物微粒子と、糖結合性タンパク質のコンジュゲートによる高感度測定法を検討した。免疫関連タンパク質が関与するサイトカイン誘導に関しては、繊維芽細胞でNFκB誘導活性にTL4経由のシグナル伝達の関与が示唆されると共に、活性物質の作用により発現する遺伝子群がスクリーニングされた。続いて、抗菌ペプチド(マガイニン2とその誘導体)によるリピドAの活性発現と抑制の分子機構を調べ、リピドAに抗菌ペプチドを作用させたときのTNF-α生産量変化と高次構造や物性変化との関係解明を進めた。高次構造は小角X線解析し、また、物理化学的性質はゼータ電位や相転移によるエンタルピー変化などを測定した。その結果、培養細胞のTNF-α生産はマガイニン2より、膜結合性の高いマガイニン2誘導体で低下し、ペプチドはリピドAの表面電荷や高次構造の変化により生物活性を抑制することが分かった。生物活性の発現と抑制機構などの解明に基づく知見は、今後、細菌感染に起因する敗血症などの治療や予防への応用展開が期待される。
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