研究概要 |
電導性、磁性、光特性を複合的に兼ね備えた物質群は、スイッチ、メモリー、演算素子、表示材料などさまざまな分野で活躍すると考えられる。分子性物質が、その多様性、加工性、軽量性、柔軟性など従前の無幾物質にない特性をもつことから、分子性磁性材料開発においては従来の無機材料とは異なる方向性を目指すべきである。また、磁気記録材料のダウンサイジングに向けて、分子-つあるいは鎖状分子-本に由来する磁気ヒステリシスは咋今のホットな研究テーマであるが、この材料群に対して、4f-3dヘテロピン系を適用して、新規性の高い物質の合成開発を目指した。 1.機能性低次元磁石:ラジカルーコバルト系単一次元鎖磁石からバルクの磁性との共存の見られる系が見つかり、世界最高の保磁力(52kOe)を有する「硬い」磁性材料を開発した。 2. 単分子磁石・単鎖磁石:いくつかの4f-3d系単分子磁石を合成開発し、そのエネルギー準位図を正確に描くことにより磁化の量子トンネル効果を説明した。高周波ESRを用いて4f-3d開交換相互作用を決定した。 3.磁性電導体:π-dヘテロスピン系電導体を目指し、ピリミジン-TTF-M系を構築した。M=Cu,Feを用いて得られた物質の常磁性半導体としての性質を明らかにした。
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