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2006 年度 実績報告書

可視光応答型二酸化チタンのin-situESRによる電荷分離特性の評価

研究課題

研究課題/領域番号 17550178
研究機関広島大学

研究代表者

駒口 健治  広島大学, 大学院工学研究科, 助手 (80291483)

キーワード二酸化チタン / 電子スピン共鳴法 / 光誘起電子移動反応
研究概要

本年度は、色素増感太陽電池に応用されている酸化チタン電極における電荷分離反応を調べる目的で、色素モデル分子を吸着させたTiO_2のスラリー系のin-Situ ESR測定および理論計算を以下の通り実施した。
(1)2-プロパノールを溶媒に用いたTiO_2(アナタース、AMT-100)スラリー試料において、77Kで紫外光を照射すると、TiO_2内部のTi^<3+>のESRスペクトル(g_‖=1.959,g_⊥=1.990,ΔH_<PP>=0.25mT)を明瞭に観測できた。スラリー系では、バンドギャップ以上のエネルギーの光を照射すると、光励起電荷分離により生成した電子がTiO_2内部に捕捉されることがわかった。
(2)色素モデル分子として、カテコール類、フェノール類、α-,β-ナフトール、1-,2-ナフトエ酸をTiO_2微粒子に吸着させ、可視光照射効果をESR測定した。ナフトールおよびナフトエ酸を吸着させた系では、77Kで、430nm以上の波長の光を照射すると、内部Ti^<3+>のESRスペクトルを観測できた。Ti^<3+>の信号強度は、照射光強度および照射時間に依存して大きくなった。調査した色素モデル分子の中では、2-ナフトエ酸で高い光応答が得られた。
(3)半経験的分子軌道計算法(INDO/S)を用いて、ナフトールおよびナフトエ酸の電子吸収スペクトルの振動子強度を評価した。その結果、観測できたTi^<3+>のESR信号強度とモデル分子の光吸収特性との間には相関性があり、ESRの高い可視光応答性を示す2-ナフトエ酸は、より長波長領域に吸収帯を有し、かつ振動子強度も比較的強いことがわかった。
最終年度は、吸着モデル分子の性質とESR光応答性との関係を詳細に調べるため、光吸収スペクトルの測定および密度汎関数法による理論計算を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] High-Resolution ESR Study of the H…CH_3, H…CHD_2, D…CH_2D, and D…CD_3 Radical Pairs in Solid Argon2007

    • 著者名/発表者名
      K.Komaguchi, K.Nomura, M.Shiotani
    • 雑誌名

      J. Chem. Phys. A 111・4

      ページ: 726-733

  • [雑誌論文] Photoinduced Electron Transfer from Anatase to Rutile in Partially Reduced TiO_2(P-25) Nanoparticles : An ESR Study2006

    • 著者名/発表者名
      K.Komaguchi, H.Nakano, A.Araki, Y.Harima
    • 雑誌名

      Chem. Phys. Lett. 428・4-6

      ページ: 338-342

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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