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2007 年度 実績報告書

可視光応答型二酸化チタンのin-situ ESRによる電荷分離特性の評価

研究課題

研究課題/領域番号 17550178
研究機関広島大学

研究代表者

駒口 健治  広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80291483)

キーワード二酸化チタン / 電子スピン共鳴法 / 光誘起電子移動反応 / 電荷移動錯体
研究概要

最終年度は、色素モデル分子を1-ナフトール、2-ナフトール、1-ナフトエ酸、2-ナフトエ酸の4種に絞り込み、光増感電荷移動特性の評価を行った。光吸収スペクトルの測定、2-プロパノール懸濁液への可視光(400-500nm)照射効果のin-situ ESR測定を以下の通り実施した。
1.光吸収スペクトル法により、1-ナフトールおよび1-ナフトエ酸のTiO_2(アナタース、AMT-100)への吸着量がTiO_21g当たり5x10^<-5> molおよび2x10^<-4> mo1であると評価した。4種のモデル分子は、いずれもTiO_2に吸着することで、電荷移動錯体を形成し、1-ナフトールの場合、電荷移動吸収帯が可視部に最も強く現れた。この電荷移動吸収帯の強度は、可視光照射で生成する内部Ti^<3+>量と良い相関があり、1-ナフトールで最も強いTi^<3+>信号を観測できた。
2.1-ナフトール/TiO_2への可視光照射で生成する3本線スペクトル(分離幅約1mT,g=2.006)は、非経験的分子軌道計算法を用い、ナフトキシルラジカルに帰属した。このことから、ナフトールは、TiO_2表面で脱プロトンし、ナフトキシドアニオンとして吸着していることが示唆された。
3.可視光照射のON-OFFに伴うTi^<3+>およびナフトキシルラジカルのESR強度の時間変化を測定した。速度論的解析の結果、光照射に伴う電子移動で表面Ti^<3+>が生成し、この表面Ti^<3+>がTiO_2-ナフトキシルラジカル間での電子移動に関与していると仮定すると、実測値を満足に再現できることがわかった。光強度を50%および20%にしたときの光応答も同じ反応スキームを用い、光化学反応の速度定数を1/2倍および1/5倍に減少させると再現することができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] ナフトールを吸着させたTiO_2の2-プロパノール懸濁液における光増感電子移動反応2008

    • 著者名/発表者名
      駒口健治
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-03-29
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] TiO_2表面に生成したO_2^-ラジカルの可逆的光化学反応2008

    • 著者名/発表者名
      駒口健治
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] 還元したTiO_2ナノ粒子に吸着したスーパーオキシドの光反応2007

    • 著者名/発表者名
      駒口健治
    • 学会等名
      2007年日本化学会西日本大会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2007-11-11
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] Dual and reversible inter-conversion reactions of superoxide radical anion on TiO_2 under sub-bandgap illumination at 77 K2007

    • 著者名/発表者名
      Kenji Komaguchi
    • 学会等名
      電子スピンサイエンス国際会議-第46回電子スピンサイエンス学会年会合同討論会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      2007-11-07
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] 二酸化チタン表面におけるスーパーオキシドの光化学反応2007

    • 著者名/発表者名
      駒口健治
    • 学会等名
      第11回ESRフォーラム
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2007-06-09
  • [学会発表] 色素モデル分子で修飾したTiO_2の光励起電荷分離特性2007

    • 著者名/発表者名
      駒口健治
    • 学会等名
      第11回ESRフォーラム
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2007-06-09

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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