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2005 年度 実績報告書

環境制御NMR法による高分子の結晶化機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17550184
研究種目

基盤研究(C)

研究機関群馬大学

研究代表者

山延 健  群馬大学, 工学部, 助教授 (40183983)

キーワード高分子構造・物性 / 結晶化 / NMR / 環境制御型
研究概要

環境制御NMR法による高分子の結晶化機構に関する研究を行うために本年度は下記のような結果を得た。
1)高感度プローブの開発
従来の10mm径のコイルでは温度分布が大きく、それによる運動や構造の分布が得られる結果に反映されてしまうためにできるだけ細い径での試料管を利用できるようにプローブの開発を行った。コイル径を細くすると試料の絶対量が少なくなるが、フィリングファクターの向上やパルス幅を短くできるために逆に感度を向上する因子もあるため、試料の量の減少分を相殺できるようにプローブの設計を行った。その結果、5mm径のコイルを用いることで、約30mgの試料を高感度で測定することができた。パルス幅は1μsであり、信号の定量1生も十分であった。
2)MXD6ナイロンの結晶化
MXD6ナイロンの溶融結晶化を160℃から210℃の温度範囲で行った。パルスNMR測定と偏光顕微鏡観察の結果結晶化速度は170℃で最も速いことがわかった。偏光顕微鏡観察の結果では170℃の結晶化においてマルテーゼクロスの球晶が観察されたが、210℃では球晶内が複雑な構造をしたものが観察された。パルスNMRの測定結果から、結晶化機構において170℃では球晶成長が1次元的に生じており、210℃では2次元的に生じていることがわかった。このことから、170℃では観察試料内で平面的に球晶が生成しているが、210℃では試料の暑さ方向においても結晶成長が起こり、そのために偏光顕微鏡において高温での球晶が複雑な構造をしていることが明らかになった。
結晶化の過程を詳細に検討するために固体高分解能NMR測定を行った。結晶化の進行に伴い、スペクトルの各ピークは線幅が細くなり、構造の分布がなくなることが明らかになった。さらに、高温の結晶化ではメチレン炭素のピーク位置が顕著にシフトした。このことは結晶化に伴い、コンホメーションの変化が生じていることを意味する。最も安定な結晶のコンホメーションを考慮すると、この化学シフト変化を合理的に説明できることがわかった。さらに、電子顕微鏡観察の結果をふまえMXD6の結晶化機構を提案した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] A Morphological Study of the Effect of Carbon Nanotube Filler on Tribology of Phenol/Formaldehyde Resin-based Composites2005

    • 著者名/発表者名
      A.Igarashi
    • 雑誌名

      Polymer Journal 37

      ページ: 522

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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