研究課題
平成18年度は、前年度に行った研究結果に基づいて、青色発光ダイオードにおける光取り出し効率の改善までも念頭にしたGaNテンプレイト作製技術を開発した。1.高効率紫外発光ダイオード実現に向けた高品質AlGaNテンプレイトの作製本研究で提案したCrNバッファ層は、それ自体で光乱反射の機能を実現できる可能性がある。そこで、本研究課題では次に掲げるアプローチによりバッファ層となるCrNの表面構造を制御して、選択横方向成長実現による欠陥密度のさらなる低減とともに、デバイスの光取り出し効率の高いGaNテンプレイト作製を目指す。2.パターニングCrN薄膜上へのGaN成長我々はCrNバッファ層がGaN成長核として働くことを示してきた。さらに、パターニングCrN薄膜を用いて選択横方向成長による転位密度の減少と光の乱反射効果を同時に得ることが出来る。本研究ではMBEによるCrN成長してストライプパターニングを行い、その上にHVPEによる厚膜GaNの成長をする。CrN薄膜のパターニングは、電子ビームリソグラフィ技術と化学エッチング技術を駆使して、ストライプの間隔、深さを変化させながら、選択横方向成長の成長条件を求める。3.自然発生的なCrN薄膜表面モルフォロジの利用MBE法により作製するCrN薄膜の自然発生的に生ずるアイランド構造などの表面モルフォロジをうまく利用すれぱ、選択横方向成長を実現し、欠陥密度をさらに低減できる可能性がある。前年度得られた知見を参考にしながら、CrN薄膜の表面モルフォロジの制御によって、選択横方向成長の成長条件を求め、MBE法によるCrN薄膜成長条件とHVPE法によるGaN成長条件を最適化する。4.多欠陥層の成長制御:低欠陥フリースタンディングGaN基板を作製するためにHVPE用バッファー層として多欠陥層の導入を独自に開発した実績がある。サファイア基板上へのGaNのHVPE成長において、多欠陥層をバッファ層として導入した場合、これによって貫通転位密度が減少することが観察された。最後に、メイン成長として200μmのGaNを成長した。この研究成果は本研究でも適用可能な技術である。低欠陥クラックフリー_xGaNテンプレイトを作製するためHVPE用GaNバッファー層として多欠陥層を開発し、これによって貫通転位密度のさらなる減少する。
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