研究課題/領域番号 |
17560003
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
黄 新明 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (80375104)
|
研究分担者 |
宇田 聡 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90361170)
黄 晋二 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50323663)
CHEN Mingwei 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20372310)
干川 圭吾 信州大学, 教育学部, 教授 (10231573)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
キーワード | 結晶工学 / 結晶成長 / 石英るつぼ |
研究概要 |
シリコン結晶成長において、高温でシリコン融液が石英るつぼと反応し、石英るつぼの内表面で直径数mmの剥離しやすいクリストバライト結晶層を含む茶褐色リングが発生する。剥離したクリストバライト破片がシリコン単結晶に転位という欠陥を発生させる深刻な問題がある。本研究は、ppmオーダーの極微量のバリウムなどの不純物を内表面にドープした石英るつぼに外部電場を印加することにより、高温でSi融液と反応しても石英るつぼの内表層に茶褐色リングが発生せず、なおかつ剥離しない均一なクリストバライト結晶層の形成条件を実験的に解明し、その形成メカニズムを実験的、理論的に解析、解明する。 今年度内では、バリウムをはじめとする不純物濃度が剥離しにくいクリストバライトの形成に及ぼす影響を調べ、さらに、電場印加の影響を調べる予備実験を行った。不純物として、バリウムのほかに、天然石英るつぼによく含まれているアルミニウムを研究対象とした。石英るつぼに、100ppmまでの量をドープしたにも拘らず、茶褐色リングの発生、および成長速度にはほとんど影響しない。一方、バリウムが5ppm程度ドープした場合でも、剥離しやすい茶褐色リング状のクリストバライトの形成に明らかな抑制効果があった。100ppm以上のドープ量の場合、茶褐色リングの発生が完全に抑制された。 結論として、石製るつぼの内表面に極微量のバリウムをドープした場合でも、剥離しやすい茶褐色リングの発生が抑制されることを明らかにした。茶褐色リングの代わりに、30ppm以上にドープしたバリウムがシリカガラスからクリストバライトへの相転移速度を促進し、石英るっぼの内表面での茶褐色リングの成長するドライビングフォースである酸素溶解度を変えることにより、茶褐色リングの成長を抑制することを明らかにした。
|