• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

励起子量子干渉-LOフォノン間結合の電場制御とテラヘルツ電磁波発生

研究課題

研究課題/領域番号 17560011
研究機関大阪市立大学

研究代表者

溝口 幸司  大阪市立大学, 大学院工学研究科, 助教授 (10202342)

キーワードコヒーレントフォノン / テラヘルツ電磁波発生 / 電場制御 / 量子井戸
研究概要

本年度の研究目的は,GaAs/AIAs多重量子井戸に電場を印加し,重い正孔(HH)励起子一軽い正孔(LH)励起子などの分裂エネルギーを連続的に変化させ,励起子量子ビートーコヒーレント縦光学(LO)フォノン結合モードの電場依存性を,時間分解ポンプ・プローブ分光法および時間分解テラヘルツ電磁波測定法の両手法を用いて,明らかにすることである.
(1)時間分解ポンプ・プローブ分光法を用いて,2種類の井戸層幅が違うGaAs/AIAs多重量子井戸を用いて,電場を印加した場合の励起子量子ビート-LOフォノン結合モードの振る舞いについて調べた.その結果,高次のサブバンド間の励起子量子ビート(LH1励起子とHH1励起子間,およびHH1励起子とHH2励起子間)において,電場印加と共にそれらの振動数が高振動数側にシフトし.さらに,励起子量子ビートの振動数がGaAs型LOフォノンの振動数に近くなると,このコヒーレントLOフォノンの振幅が増幅されることを見出した.これは,励起子量子ビートーコヒーレントLOフォノン結合モードが生じているためと考えられる.
(2)次に,時間分解テラヘルツ電磁波測定法を用いて,上記のGaAs/AlAs多重量子井戸を用いて,電場を印加した場合の励起子量子ビート-LOフォノン結合モードの振る舞いについて調べた.その結果,テラヘルツ電磁波測定では,励起子量子ビートによるテラヘルツ電磁波は殆ど観測されなかった.これに比べて,コヒーレントLOフォノンからのTHz電磁波が強く観測された.特に,電場印加と共に,高次のサブバンド励起子準位のエネルギー差がGaAs型LOフォノンの振動数に近くなると,このコヒー一レントLOフォノンからのTHz電磁波が増幅されることを見出した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Terahertz radiation from coherent confined optical phonons in GaAs/AlAs multiple quantum wells2007

    • 著者名/発表者名
      M.Nakayama
    • 雑誌名

      phys. stat. sol. (a) 204

      ページ: 518-521

  • [雑誌論文] Characterization of Terahertz Electromagnetic Waves from Coherent Longitudinal Optical Phonons in GaAs/AlAs Multiple Quantum Wells2006

    • 著者名/発表者名
      K.Mizoguchi, et al.
    • 雑誌名

      J. Appl. Phys., 100

      ページ: 103527(l)-(7)

  • [雑誌論文] 半導体多重量子井戸構造における励起子量子ビートとコヒーレント光学フォノンとの相互作用2006

    • 著者名/発表者名
      中山正昭, 溝口幸司, 小島磨
    • 雑誌名

      固体物理 41

      ページ: 257-267

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi