研究課題/領域番号 |
17560017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
木村 秀夫 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料ラボ, グループリーダー (50343843)
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研究分担者 |
大塚 秀幸 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料ラボ, 主幹研究員 (10343857)
小洋 清 独立行政法人物質・材料研究機構, 光触媒材料センター, 主幹研究員 (90343855)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 結晶工学 / セラミックス / 電子・電気材料 / 先端機能デバイス / ADVANCED MATERILAS |
研究概要 |
本研究は、独自のゾルゲル法により生成したアモルファス薄膜の熱処理による結晶化の際に磁界を印加し、結晶粒の配向性を制御しようという新しい試みである。Bi_4Ti_3O_<12>の場合、通常の熱処理ではc軸配向膜となるが、自発分極がab面内にあるため、ab面内方向に配向する薄膜の作成が望まれる。磁気異方性を利用することで、ab面内方向に磁界を印加すれば薄膜をab面内に配向できる可能性が高い。本研究のようなアモルファスの結晶化において、磁界の印加により結晶化した粒子の配向性を制御する研究は前例が無い。 対象とする物質は圧電体・強誘電体である非磁性体のKNbO_3、LiNbO_3、Bi_4Ti_3O_<12>であるが、非磁性体Bi_4Ti_3O_<12>、SrBi_4T_i4O_<15>セラミックスにおいて、結晶構造による磁気異方性のため、磁界印加により結晶粒の配向性制御が可能という報告があり、アモルファスからの結晶化においても配向性制御が可能と考えられる。配向性制御の結果薄膜の自発分極方向を揃えることができ、圧電・強誘電特性を向上させることができるものと予想される。 これまでにY添加Bi_4Ti_3O_<12>について実験を行った。使用した基板はSi、Al_2O_3、MgO、SiO_2であるが、磁界中結晶化実験:はSiO2基板の場合のみ実施できた。磁界印加無しでも基板により配向性が異なり、MgO基板の場合にはc軸配向の傾向があった。10Tの外部磁界を膜に対して垂直方向と平行方向で印加した。 SiO_2基板の場合の磁界印加の有無の影響は、原子間力顕微鏡観察では明瞭に見られたが、X線回折でははっきりとした差は見られなかった。この理由については検討中である。Si基板の場合に、磁界印加無し結晶化試料のP-Eヒステリシスを測定したところ、ヒステリシスは観察されるが、リーク電流が大きく、小さな自発分極しか得られなかった。今後、成膜技術の改善が必要である。
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