研究概要 |
1小角入射電子線励起X線発光分光(GIEXES : Grazing Incidence Electron-induced X-ray Emission Spectroscopy)装置の計測プログラムを開発した。これは,Visual Basicにより作成したActive Xコントロールを,Exce1のワークシートに貼り付けて動作させる。グラフィカルなユーザーインターフェイスによるユーザーフレンドリーな計測システムが完成した。 2測定されたX線スペクトルのピークフィットプログラムをExcel VBAにより開発した。計測プログラムもExcel VBAをベースとしているため,データの移動が極めて容易なシステムが構成できた。 3 X線発生の深さ分布を求めるためのモンテカルロ・シミュレーションプログラムを開発した。本体はFortranによりプログラミングしたが,入出力インターフェイスはExcel VBAにより作成した。複数の化合物の積層構造などについてシミュレーションを行う際の多数のパラメータ設定,および,シミュレーション結果の利用が極めて容易なシステムが完成した。 4 LaSi_x/Si(100)を熱酸化して表面にLaシリケート層を形成した試料をGIEXESにより分析した。測定されたSi Kβスペクトルにおいて,表面のシリケート層およびSi基板からのx線スペクトル成分の大きさを定量的に見積もった。この結果を,モンテカルロ・シミュレーションによるX線発生の深さ分布と比較することで,深さ方向の化合物の分布を明らかにした。 5電子ビーム蒸着法による標準薄膜試料作製装置を製作した。これを用いて,ガラス基板上に厚さ50nmのB薄膜を作製し,XPSにより基本的な評価を行った。このB薄膜の表面酸化状態をGIEXESにより分析するための作業を現在進めている。
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