研究概要 |
研究実施計画の通り、本年度の研究は光シンセサイザー制御対象である1.スーパーコンティニウム(SC)光の発生実験(担当:曽根、今井)と光シンセサイザーそのものの構築につながる2.光スペクトル制御システムの開発(担当:曽根、原田)の2つに分けて行った。 1.スーパーコンティニウム(SC)光の発生実験 分散制御ファイバーを用いたSCスペクトル発生実験については現有設備を多数有している室蘭工業大学、今井研究室に出張(旅費を使用)して行なった。詳細は文献[Technical Digest of ICO20,p.69,2005. Technical Digest of ICO20,pp.89--90,2005.]参照。 また、SC発生の詳細を調べるため、石英ファイバー中のSC発生についてFDTD(Finite Difference Time Domain)法を用いた詳細な数値解析を行なった。詳細は文献[Japanese Journal of Applied Physics, Vol.44,No.10,pp.7453--7459,2005.]参照。 2.光スペクトル制御システムの開発 光スペクトル制御システムの開発は主に北見工業大学で行なった。 当初購入計画していた液晶空間光位相変調器では困難な、より詳細な位相変調制御(広開口面と高解像度の性能)が必要であることがわかった。そこでこの目的に適う装置を市販されている液晶プロジェクターに使用されているLCDパネルとOEM提供されている専用のコントロールボードを使用し、独自に製作した。更に、近赤外波長(1500nm付近)でも2π[rad]の位相変化量が得られるように、液晶空間光位相変調器を複数回通過させる工夫を施し、実際に位相量確認も行った。 また、SCスペクトル制御を効率よく行うためのSC発生システム側の最適条件(分散制御ファイバーによるスーパーコンティニウムパルスの位相の周波数依存性)について数値解析により調べた。詳細は文献[第41回応用物理学会北海道支部学術講演会、第2回日本光学会北海道支部講演予稿集,p.94,2006.]参照。
|