1.OLCRによる屈折率分布測定法の原理確認 (1)構成:2×2光ファイバカプラ3台を用いて低コヒーレンスリフレクトメータ(OLCR)を構築した。ステージのスパンは20cmであり、長さ10cmの石英系光導波路からの反射分布を測定できる。 (2)感度とS/N:最小反射率検出感度は検波バンド幅100Hzにおいて-110dBであり、ショット雑音限界よりも20dB以上高かった。その結果、後方レーリイ散乱光から得られるリフレクトグラムを検波したときのS/Nは約10に留まった。雑音解析の結果、当該雑音が導波路の入射/出射端面における-40dBの反射光と参照光間で発生するビート雑音であることが判明した。今後は導波路端面を斜研磨して反射を20dB以上低減することで、ビート信号のS/Nを一桁以上向上させる。前記リフレクトグラムのサンプリングには、1.3μm帯DFBレーザ光から得られる参照ビート信号が必要である。端面反射率を斜研磨で低減させると参照ビート信号のS/Nが現状の100から10まで低減してしまい、クロックを高精度に発生できなくなる。そこで、プローブの先端に1.55μm通過/1.3μm反射のARコートを施しS/N=100を維持する。 2.ブリュアン増幅測定による屈折率分布測定法の原理確認 (1):既設備品およびロックインアンプ、LN位相変調器、2台の光カプラを用いてブリュアン利得測定システムを構築した。周波数200Hzデューテイ5%で強度変調された炭酸ガスレーザ光(平均パワー120mW)を照射して、石英系光導波路に温度変調を印加した。当初、平凸レンズでレーザ光を集光したため導波路表面が破壊されてしまった。そこでシリンドリカルレンズを用いて1.6mm長の導波路部を照射した結果、πラジアンの位相変化を安定的に誘起することに成功した。導波路部での屈折率の温度係数を考慮すれば、本変調により50℃の温度変調(ブリュアン利得ピークを50MHzシフト)を長さ1.6mmの導波路に印加できたと結論した。 (2)誘導ブリュアン測定:測定用の石英系導波路を通過したDFBレーザ光のパワー中の、上記変調周波数に同期した成分を検波した。光導波路の短面反射が-35dBと大きかったので、光導波路を伝播した光と短面反射した光が干渉して予期せぬ変調周波数成分発生してしまい、ブリュアン利得変化を測定する障害となった。今後は、端面を斜研磨して当該反射を低減し、温度変調により利得変化を測定する。
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