研究課題
基盤研究(C)
Si光導波路は通常、クラッドとなる部分のSiをエッチングすることにより作製されるが、エッチング壁面の荒れにより光導波路の伝搬損失が比較的大きくなっている。本研究は、クラッドとなる部分のSiのみを選択的に酸化してSi光導波路を作製することを目的とする。すなわち、コアとなるSiの上部に選択酸化用マスク(シリコン窒化膜を利用)を形成して酸化を行う。このとき、酸化は深さ方向だけでなく横方向にも進行するので、コアとクラッドの境界が滑らかになり、伝搬損失の低減が期待できる。シリコン窒化膜厚40nm、1100℃、7時間のウェット酸化条件において、シリコン窒化膜は酸化されてSiO_2に変換されるとともにSi表面が若干酸化されたが、Si光導波路形成に十分な酸化防止性能があることがわかった。選択酸化マスク幅を3μmとして、Si光導波路の作製を行った。シリコン窒化膜のエッチングについて検討した結果、希フッ酸によるウェットエッチングではパターニングが困難であったので、フロンガスによるドライエッチングを行った。断面の顕微鏡観察により、酸化によりシリコン窒化膜下部のSiは酸化されず、シリコン窒化膜がない部分のSiが酸化されてSiコアが形成されることを確認した。作製したSi光導波路の伝搬損失は6.3dB/cm、結合損失は29.8dBであった。同時に作製した従来法によるSi光導波路は、伝搬損失10.3dB/cm、結合損失27.0dBであり、本方法により伝搬損失が低減できることを実証した。結合損失は増加したが、これは、Si上部が酸化されたことによるコア厚減少によるものと考えている。本研究で作製したSi光導波路は多モードであるので、今後は単一モードのSi光導波路の作製が必要である。
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第54回応用物理学関係連合講演会論文集 3
ページ: 1247
電子情報通信学会レーザ・量子エレクトロニクス研究会資料 (発行予定)
OECC/IOOC 2007 (発行予定)
Extended Abstracts of 54th Spring Meeting of the Japan Society of Applied Physics and Related Societies
Technical Report on Lasers and Quantum Electronics of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
12th Optoelectronics and Communications Conference/16th International Conference on Integrated Optics and Optical Fiber Communication (OECC/IOOC 2007)
平成17年度応用物理学会北陸・信越支部学術講演会論文集
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2005 Proceedings of Conference of Hokuriku-Shinetsu Chapter of Japan Society of Applied Physics