研究課題
基盤研究(C)
1本のファイバ中に複数のコアを有するマルチコアタイプのフォトニック結晶ファイバ(PCF)を用いて異なる波長帯のスーパーコンティニュウム(SC)光を発生させることに成功した。また、20mmというきわめて短かいPCFにより400nm〜1000nmにわたる広範囲のSC光を発生させ得ることを実証し、これらの光発生機構を数mmから数mまでの範囲でシステマチックに評価した。特に、連続的にスペクトル変化を追跡できる方法として、約8cm径のドラムにPCFを巻き付け、クラッドから散乱されるSC光を観測する方法を考案し、SC光のエネルギー変換過程を追跡した。最初に長波長側へのスペクトル展開が起こり、ついで短波長側への展開が観測される。長波長側への波長変換はそのシフト量から既に知られているSSFS(Soliton Self Frequency Shift)機構により説明できることを示した。また、短波長側へのエネルギー変換は群速度遅延量が一致する波長間で起こることを実験的に確認した。さらに、SC光を切り出してコンパクトな超広帯域波長可変パルス光源を実現するため、励起光源以外の光部品であるPCF、結合光学系、光スペクトル切り出し用ディスクフィルター等を20cm×15cmのプレート上に構成した。オクターブを越す広帯域にわたり時間ずれのないパルスが得られる光源として幅広い用途が期待される。将来への展開として、光集積回路中へのSC光生成回路の組み込みを想定し、数十ミクロン長でのsc光発生を試みた。光回路中に作り込むために表面を酸化したSi基板にフォトリソグラフィー技術を適用し、KOH異方性エッチングによりSi三角断面を有するリッジの稜線上に乗ったSiO2導波路を得た。予備的な実験として長さ35ミクロンの導波路に810nmの励起光を結合させたところ795nm近傍に新しいピークが観測され、本方法の有効性が確認された。
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すべて 雑誌論文 (16件)
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