研究課題
基盤研究(C)
本学量子科学研究所電子線利用研究施設における自由電子レーザーを利用したパラメトリックスX線をプローブとし、時分割X線回折光学系などパラメトリックX線の特性を活かした評価方法を開発し、これを用いて物質構造の揺らぎや相転移といった非平衡過程における秩序状態の評価方法を確立することを目的として研究を進めてきた。この結果、以下の成果を得た。(1)パラメトリックX線ビームラインの構築パラメトリックX線取り出し口以降の光学系を作製した。基本的なX線回折装置の機能を整えると供に蛍光X線分析、位相差イメージング等の応用測定も可能にした。(2)光学系の安定化パラメトリックX線の発生源である電子ビームの安定性、光学素子・駆動装置など光学系の構成要素の安定性、室温変化など環境因子の影響について調査し、改善を行った結果、電子ビームの軌道変動は0.05%以下に制御可能となった。ゴニオメータに起因する角度変化は約1秒/時間であり、ゴニオメータの高精度化、重量アップなどにより対策を検討し、アナライザ結晶・結晶ホルダーの改善により熱・歪みへの対応を図った。さらに測定計全体をカバーで覆うことにより、光学系の温度変化を室温変化の1/2以下に抑えられた。検出器ではイメージ・インテンシファイア付き冷却CCDの新規導入によってS/Nの改善を行った。(3)時分割測定機能の付加光源のRF信号をトリガーとしてCCDカメラのゲートシステムに組み込み、光源のマクロパルスに同期させた時分割測定法を確立した。(4)試料作製・測定高分子/液晶の相分離構造、プラスチックファイバーの内部構造などの観察を行った。これらにより、世界でも初めてパラメトリックX線の実用応用に成功した。
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Proceedings of the International Conference on Charged and Neutral Particles Channeling Phenomena (印刷中)
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