研究課題/領域番号 |
17560051
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石原 卓 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10262495)
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研究分担者 |
金田 行雄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10107691)
石井 克哉 名古屋大学, 情報連携基盤センター, 教授 (60134441)
芳松 克則 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70377802)
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キーワード | 高レイノルズ数乱流 / 大規模直接数値計算 / モデル計算手法 / ラージ・エディ・シミュレーション / 非経験的 / 計算科学 |
研究概要 |
本研究では、地球シミュレータ上で実現した一様等方性乱流の世界最大規模直接数値計算(ウルトラ・シミュレーション)結果および名古屋大学情報連携基盤センターのHPC2500上における平行二平板間乱流の大規模DNSを基に、高レイノルズ数乱流の経験則に頼らない(非経験的な)モデル計算手法を計算科学的に開発することを目的とし、具体的には乱流の大規模DNS手法の開発および乱流の大規模DNSの実施、そして得られた乱流の大規模データを用いて、ラージ・エディ・シミュレーション(LES)のために必要な基礎統計データの解析、LESモデル計算手法の開発、開発したモデル計算手法の性能評価・検証を行う。 本年度は、LESのために必要な基礎統計データの解析として、一様等方性乱流の世界最大規模DNSデータを用いて、乱流の慣性小領域におけるエネルギー輸送率Tの統計について詳細に調べた。慣性小領域においては、Tの空間平均が用いるフィルターのスケールによらず一定(二平均エネルギー散逸率)となるのに対し、Tの分散、skewnessとflatnessはkの増加関数であり、積分長Lでよくスケールし、簡単な冪則に従うことが分かった。また、Tのフィルター依存性についても調べ、スペクトルカットフィルターよりガウスフィルターを用いた場合のほうがT<0となる領域の空間割合が小さくなることが分かった。今後、これらの結果を踏まえ、LESモデルの開発と検証を行う。 また、乱流の大規模DNS手法の開発として、Sinc関数を用いた計算手法の性能を評価するためのテスト問題を考え、従来の手法(フーリエ・チェビシェフタウ法)に匹敵する精度を同程度の計算コストで実現できる可能性を確認した。今後、これらの知見を基に大規模な平行平板間乱流DNSを行い、LESモデル開発のためのデータベースの作成を行う。
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