研究課題/領域番号 |
17560059
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
片桐 一宗 岩手大学, 工学部, 教授 (90029893)
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研究分担者 |
笠場 孝一 岩手大学, 工学部, 助教授 (00271841)
藤代 博之 岩手大学, 工学部, 教授 (90199315)
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キーワード | 高温超電導体 / 熱疲労 / 引張り試験 / 寸法効果 / 有限要素解析 / 非定常熱応力 / 銀粒子添加 / 結晶異方性 |
研究概要 |
バルクの熱衝撃疲労試験 直径46mm、厚さ20mmの市販のDy123大型バルクから切り出した15(c軸)x14x11mmのバルク試料に393Kから77Kへの熱衝撃サイクルを110回加えた後、切り出した引張り試験片には破断7本、a-b面き裂12本、損傷なし12本の損傷が見られた。ヤング率および引張り強さはa-b軸方向負荷にはほとんど変化がないが、c軸方向は1/2に低下した。 10wt%の銀添加したDy123バルクでは試料表面にはき裂が認められたが、切り出した引張り試験片には全くき裂は認められなかった。cおよびa-b軸方向いずれも、ヤング率はわずかに減少したが、強度はむしろわずかに増加し、銀添加はDy123の熱膨張率の異方性による銀粒子近傍のc軸方向圧縮熱応力を通して熱サイクル損傷を阻止する。 急冷に伴う非定常の熱応力をANSYSを用いて有限要素解析をした結果、c軸方向の最大熱応力は材料の強度を超えていた。また、バルクの直径が30から100mmまで大きくなるほど熱応力が大きくなる一方、厚さは、10、15mmと熱応力が増すが、その後、25mmでは飽和して、ほぼ同程度になることが明らかになった。銀添加バルクの熱応力解析の結果と比較すると、最大熱応力はa, b方向では無添加試料のほうが大きいが、c軸方向では銀添加試料のほうが大きい。これは熱伝導率は銀添加試料のほうが大きいが、c軸方向のヤング率が高いためであると考えられる。 バルク-金属接合複合体の強度評価 チタン棒に接着したY123のc軸引張り試験片に熱サイクルを40回加えると引張り強さは4.5MPaから4.0MPaへわずかに低下した。室温に比べて77Kの引張りの場合、接合界面から0.5mm以内の高い熱応力の領域で破壊する傾向が見られ、またAl合金の場合がTi合金に比べてその傾向が大きい。バルク試料と同一材の中間層に接着した場合にはこのような破壊は見られなかった。
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