研究課題
1.端部はく離を有する積層はりの低速度衝撃によるはく離進展挙動の実験を行った。アクリルとアルミニウムはりを貼り合わせて、DCB(Double Cantilever Beam)、WIF(Wedge Insert Flexure)、ENF(End Notched Flexure)、MMF(Mixed Mode Flexure)の4種類の試験片を作製し、界面の破壊じん性値の応力拡大係数速度依存性について調べた。動的負荷を与える方法として、衝撃棒の自由落下による直当て式試験、空気銃によるホプキンソン棒式試験を行った。はく離端のはり上下面にひずみゲージを貼付し、衝撃により発生するひずみを測定し、これを応力拡大係数の時間変化に換算した。DCB試験、WIF試験においては応力拡大係数速度が大きくなれば破壊じん性値は小さくなるが、ENF試験では破壊じん性値はほぼ一定であった。このことは、破壊じん性値はモードI型負荷に対しては応力拡大係数速度依存性を有するが、モードII型負荷に対しては応力拡大係数速度に依存しないことを示している。2.異種材積層はり中の内部界面はく離の一様な温度変化による局所座屈について研究した。はく離面の非接触を仮定したモデルについての現研究代表者、分担者らの理論解析により、温度変化が臨界値に達すると、はく離部に誘起される圧縮面内力によりはく離部分に座屈が生じるということはすでに予測されていたが、この予測について実験を行った。実験により、座屈が起きることを確かめたが、座屈が生じる臨界温度、理論から予測されるひずみについては、理論と実験の間に2倍程度の違いがある。この違いがどこに起因するかは、今後の研究課題である。
すべて 2005
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Transactions of ASME, Journal of Applied Mechanics Vol.72, September
ページ: 658-665