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2006 年度 実績報告書

相成長評価による電子基板鉛フリーはんだ接合部の故障・余寿命診断技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17560075
研究機関富山県立大学

研究代表者

森 孝男  富山県立大学, 工学部, 教授 (30275078)

研究分担者 于 強  横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80242379)
キーワード鉛フリーはんだ / 相成長 / 熱疲労寿命 / 電子基板 / 信頼性
研究概要

本研究は、はんだ接合部の組織変化に基づいた熱疲労寿命評価方法を用いて、電子基板はんだ接合部の信頼性向上やリユースによる環境負荷低減に資することを目的とするものである。第2年度として、Sn-Ag系鉛フリーはんだの組織変化に基づいた熱疲労寿命評価方法の精度向上に注力するとともに、熱サイクル試験用の試験片製作と有限要素法による解析を行った。
その結果、(1)温度とひずみが相成長に及ぼす影響を分離した結果,相成長において変位速度が速い場合にはひずみ誘起が主となるが,変位速度が遅い場合には温度による影響の方が大きいこと、(2)変位振幅が大きいほど,相成長の進行は加速され,変位速度が速くなるに従って変位振幅による相成長速度の差も顕著に現れること、(3)初期組織が相成長に及ぼす影響を検討した結果,焼きなましを行うことにより,機械的疲労試験による相成長量は小さくなるが,相成長変化は焼きなましを行わなかったものと同様のものとなり、はんだ接合時に生じたひずみは,初期の相成長変化に影響を及ぼすこと、(4)はんだ接合部において相当非弾性ひずみ範囲は,変位速度による影響はなく,変位振幅によってほぼ一定の値となるが,変位速度が速いものは相当塑性ひずみ範囲が主となり,遅いものでは相当クリープひずみ範囲が主となること、(5)はんだ接合部における相成長パラメータと相当クリープひずみ範囲を用いたCoffin-Manson則はよい対応を示し,クリープが相成長に影響を及ぼしていることを得た。
これらにより、相成長に及ぼす温度やひずみの影響を明らかにするとともに、熱疲労寿命評価方法の精度向上のための基礎データを得るこができた。電子基板はんだ接合部のひずみ履歴予測方法の確立、および熱疲労余寿命予測方法の確立に関しては、製作した試験片による熱サイクル試験を速やかに実施する予定である。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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