研究概要 |
圧電材料と耐熱構造材料を組み合わせることにより,熱的環境下で使用可能な高機能知的複合材料のシステムを作ることが可能となる。高分子圧電材料の特徴は,吸湿性を有することである。本研究の目的は、吸湿性の影響を考慮した圧電湿熱弾性問題の解析解を導出し,数値シミュレーションにより定量的評価を行うことにある。以下の頂序に従って解析を展開した。 1.構造材料の非定常熱弾性解析:圧電効果および吸湿効果を持たない異方性複合材料からなるアングルプライ積層材料の一次元非定常熱弾性問題を、平面ひずみ状態と広義の平面ひずみ状態について解析した。 2.傾斜機能材料の非定常熱弾性解析:圧電効果を持たない傾斜機能材料を想定した。 3.圧電材料単体の非定常圧電熱弾性解析:解析モデルとして、圧電中空円筒、圧電中空球を取り上げた。 4.傾斜機能圧電材料の非定常圧電熱弾性解析:斜機能材料の熱弾性問題の解析方法を傾斜機能圧電材料の圧電熱弾性問題の解析に拡張した。 5.知的複合材料の非定常圧電熱弾性解析:構造材料の解と圧電材料の解を用いて、構造材料と圧電材料からなる知的複合材料の圧電熱弾性問題を種々のモデルに対して行った。 6.圧電湿熱弾性解析:吸湿性を有する高分子系の異方性材料と圧電材料からなる複合中空円筒の非定常圧電湿熱弾性問題を温度場と湿度場が非連成であるとして、理論解を導出した。さらに数値計算を行い、温度および湿度が変位、応力および電位分布に及ぼす影響を調べた。
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