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2005 年度 実績報告書

天然繊維の変形能と編織機構を活用したバイオマス・コンポジットの新機能発現性の創出

研究課題

研究課題/領域番号 17560098
研究機関山口大学

研究代表者

合田 公一  山口大学, 工学部, 教授 (10153743)

キーワードグリーンコンポジット / バイオマス / 天然繊維 / 生分解性樹脂 / テキスタイル / 塑性変形能 / 撚り / マーセル化
研究概要

今日,大量生産,大量消費,大量廃棄型社会から派生した地球環境問題の解決に向けて,各方面で様々な取り組みが行われている.例えば,身近なところで幅広く使用されているガラス繊維強化プラスチック(GFRP)は耐熱性・耐久性に優れ,軽量で高強度であるという利点をもつが,逆に廃棄の際に環境負荷を高める.そのため,フロンティア性やアメニティ性,そして環境調和性を兼ね備えたエコマテリアルの開発に関心が寄せられている.特に,全てがバイオマス素材からなる複合材料,いわゆるグリーンコンポジット(Green Composites,以下'GC'と記す)の研究・技術開発に注目が集まっている.
本研究では,塑性加工などの実用化を視野に入れたGC材の開発を目指し,強化材にラミー平織布,マトリックス材に生分解性樹脂フィルムを用いたテキスタイルGCを作製した.そして,平織布を構成するラミー糸の撚りがGCの変形特性に及ぼす影響を調べ,さらにこの材料の常温および高温下における塑性変形能を調査した.また,FEM解析により,織間隔や撚りがテキスタイルGC材の変形挙動に及ぼす影響について検討した.得られた結果を以下に要約する.
(1)平織布に無撚糸(単糸)および加撚糸を用いると,無撚糸を用いたGCが塑性変形能に秀でる.
(2)FEM解析から,糸の半径方向の剛性が大きく織間隔が大きいほどヤング率は増加する.
(3)高温下でGCはより大きな塑性変形能を発揮する.つまり,マトリックスの軟化によって平織布の織縮みの変形・拡張が効果的に発揮される.
(4)平織布の積層構成を適宜変えることで擬似等方性を付与することができる.
(5)無撚糸にアルカリ処理を施すことで,塑性変形能は改善される.
以上のことから,テキスタイルGCは塑性変形能により破壊靱性や衝撃特性などの機械的特性の向上が期待される.さらに,塑性加工分野への適用を展望することができる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Creation of plasticity in textile green composites using ramie woven fabrics2006

    • 著者名/発表者名
      Rie Nakamura
    • 雑誌名

      International Journal of Plastics Technology (印刷中)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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