研究課題
基盤研究(C)
一般に、ガラスやセラミックスなどの脆性材料の切削加工では、材料は脆性破壊によって除去される。しかし、切取り厚さを臨界値以下にして切削すると、材料の除去機構は塑性変形が主体となり、ピットなどの脆性破壊損傷のない平滑な加工面を創生することができる。このような塑性変形を主体とする切削過程は延性モード切削と呼ばれているが、脆性材料の延性モード切削に影響する因子は多く、また各因子の影響の程度は明確にされていない。そこで、本研究は適応制御により延性モード切削を安定化するために有効な切削加工プロセスの監視パラメータを得ることを目的とし、脆性材料の切削加工用として市販されている微小チャンファ付Rバイトを用い、単結晶シリコンを正面旋盤で超精密切削加工したときの切削抵抗、AE信号、振動加速度と脆性モード切削、延性モード切削との関係について調べ、以下の結果を得た。(1)本研究では工具送り量が0.5μm/revで鏡面(延性モード切削)、1.75μm/revで梨地面(脆性モード切削)、1μm/revで鏡面と梨地面が混合した加工面(混合モード切削)が得られた、(2)延性モード切削では、結晶方向の影響により、AEのエンベロープ信号が大きくなる被削材の回転位置で、動的背分力は小さくなった。一方、脆性モード切削では、AEのエンベロープ信号が大きくなる回転位置で動的背分力も大きくなった、(3)AEのエンベロープ信号の平均値、切削工具系の振動加速度のRMS値と約3kHzの成分(切削工具系の固有振動数)は、延性モード切削、混合モード切削よりも脆性モード切削の方が大きくなった。(4)単位切削断面積当りの背分力の静的成分(平均値)は、脆性モード切削、混合モード切削よりも延性モード切削の方が大きくなった。
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Proc. the 11^<th> International Conference on Precision Engineering, JSPE Publication Series. No. 5
ページ: 345-346
Proc. the 11^<th> International Conference on Precision Engineering, JSPE Publication Series No. 5
Proc. the 3^<rd> International Conference on Leading Edge Manufacturing in 21st Century
ページ: 905-910