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2006 年度 実績報告書

プラズマ照射によるダイヤモンド工具の耐損耗性の向上

研究課題

研究課題/領域番号 17560109
研究機関関西大学

研究代表者

樋口 誠宏  関西大学, 工学部, 教授 (50067732)

研究分担者 山口 智実  関西大学, 工学部, 助教授 (10268310)
キーワード加速器 / 超精密加工 / ダイヤモンド工具 / 長寿命化 / 熱化学研磨 / 窒素ガス噴射
研究概要

1.「耐損耗性に優れるダイヤモンド原石の選定とその研磨」
天然の単結晶ダイヤモンド(Ia型)に含まれる窒素がその微小破壊強度に及ぼす影響を調べた。その結果、ダイヤモンドの強度は小板状欠陥が多いほど高上し、また窒素不純物が少ないほど低下することが明らかになった。つぎに、窒素量の異なるダイヤモンド工具を用いて無酸素銅の切削を行い、耐損耗性を比較した。工具の漸進的摩耗は窒素を多く含むダイヤモンドほど大きい。しかし、切れ刃稜のチッピングは小板状欠陥の多いダイヤモンドほど発生しにくいことがわかった。さらに、工具寿命は材料除去速度が大きい場合、窒素を多く含む耐チッピング性の高いダイヤモンド工具ほど長く、材料除去速度が小さい場合、窒素を含まない耐摩耗性に優れたダイヤモンドエ具ほど長いことがわかった。
つぎに、チッピングの発生は工具研磨時に導入される微小クラックに起因するので、これを酸化銅のダイヤモンドによる還元を原理とする熱化学研磨によって除去する方法を考案した。この研磨による効果はチッピングの発生を減少させ、工具寿命を約40%延ばすという著しいものである。
2.「工具損耗のメカニズム解明とその抑制」
金型表面にめっきされる無電解Ni-Pの超精密加工において、ダイヤモンド切削工具は著しく損耗する。この工具の損耗機構を解明するために、真空中でNi-Pとダイヤモンドを接触させて加熱する損耗実験を行った。その結果、ダイヤモンドの損耗はNi-Pへの炭素の拡散に起因することが明らかになった。また、同じ実験をNiとダイヤモンドについても行い、Niに含まれるPが炭素の拡散に及ぼす影響について調べた。その結果、Pの添加は炭素の拡散を抑制する働きのあることがわかった。したがって、Pの添加量を調整することにより、ダイヤモンド工具の損耗を減少させる可能性を得た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Monitoring of Tool life in Diamond Turming of Electroless Ni-P2006

    • 著者名/発表者名
      M.Higuchi
    • 雑誌名

      Proceedings of the 6th euspen International Conference vol.II

      ページ: 196-199

  • [雑誌論文] Scientific Screening of Raw Diamond for an Ultraprecision Cutting Tool with High Durability2006

    • 著者名/発表者名
      t.Yamaguchi
    • 雑誌名

      Annals of the CIRP 55・1

      ページ: 71-74

  • [雑誌論文] Polishing of single point Diamond Tool Based on Thermo-chemical reaction with Copper2006

    • 著者名/発表者名
      M.Higuchi
    • 雑誌名

      Proceedings of ASPE 2006 Annual meeting.

      ページ: 519-522

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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