研究概要 |
本研究は面だれが少なく良好な仕上面粗さを有する加工面を、高能率に加工できる精密ベルト研削技術の構築と装置の開発を目的としている。高精度な仕上面を形成するためには、プラテン表面の圧力分布を正確に把握する必要があるとの観点から、最初にプラテン噴出孔から吹出すエアーの圧力と流量が測定できるように、エアータンクの改良を行った。タンク上部の側面に4箇所の圧力測定穴を設け、デジタル圧力計によりコンプレッサー圧力を変化させても4点間の圧力差が無くタンク上部の圧力分布は常に均一であることを確認した。また実験中の圧力設定は、タンク上面のバックプレッシャーバルブにより調整した。次に電子流量計を用いて圧力を5,10,20kPaに切換えて,タンク上部の16個のエアー噴出孔の流量測定を行った。平均流量と各エアー噴出孔との誤差は約2.0%と良好な結果が得られた。 次にプラテン噴出孔を4×4列としたエアーシャワー式プラテンを新たに設計・製作した。前述のタンク噴出孔とシリコンチューブで連結させた後、個々のプラテン噴出孔からのエアー圧力と流量を測定し、それぞれの誤差が5.0%以内であることを確認した。 研削ベルトがプラテン表面から0.1mm浮上したと仮定し、プラテン上の81点の圧力分布を速やかに測定するために、自作の圧力測定板,圧力切替弁とデジタル圧力計を組合わせた測定システムを構築した。測定結果として、プラテン中央部の圧力が高くなることが確認された。これは有限要素法による4×4列のエアー噴出孔を有するプラテン表面の圧力分布のシミュレーション結果と、定性的に一致している。 また、デジタル測長器による加工量測定系の製作は終了している。レーザー変位測定器を用いた貼付板の回転振れの測定系は現在製作中である。
|