研究概要 |
(1)接触熱抵抗を考慮した三次元温度場解析手法の確立 1)汎用コードへの"接触熱伝達率"評価式の組み込み 従来から学会に提案している「接触熱伝達率」及びわずかな界面を介して伝わる熱量を評価できる「見かけの熱伝達率」の評価式を汎用解析プログラムに組み込むことにより,複雑な形状を有する構造物が熱負荷を受ける場合の熱及び力学挙動を高精度かつ高効率で解析できる環境を構築した. 2)解析手法の妥当性と解析精度の検討 大型ボルトの締め付けに広く用いられているボルトヒータの締め付け過程を解析し,従来の解析ならびに実験結果と比較することにより,1)で構築した解析手法の妥当性を確認した. (2)ボルト締結部周辺の熱流れと軸力変化のメカニズムの解明 1)各部を通過する熱量の比率の評価 単一ボルトで締め付けられた直方体形状のボルト締結体の三次元FEMモデルを作成して,ボルト軸中心を通る断面およびボルト穴に接する断面における熱流束分布を表示することができる手法を確立した. 2)温度分布・変形特性とボルト軸力変化の関係の解明 上記の直方体形状のボルト締結体を対象として,直方体の長手方向の一方の面に一様熱流束を与えた場合について,温度場と応力場の連成解析を行い,締結体の温度変化に対するボルト軸力変化の関係を求めた.解析はM16のボルトを対象として実施した.接触熱抵抗の大きさに影響するボルト軸力を変化させて解析した結果,加熱に伴うボルト軸力の時間変化は,従来の軸対称解析による結果と整合するものであった.
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