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2006 年度 実績報告書

高速往復動オイルフイルムシールの弾性流体潤滑

研究課題

研究課題/領域番号 17560121
研究機関九州大学

研究代表者

佐木 邦夫  九州大学, 大学院芸術工学研究院, 教授 (00299398)

キーワードオイルフィルムシール / ロッドシール / 弾性流体潤滑 / 油圧シリンダー / 加振機 / 有限要素法
研究概要

オイルフィルムシール(浮動ブッシュシール)は圧縮機などの高速回転軸用や高圧の油圧機器の往復動軸用のシールとして用いられている。本研究は後者の、主に油圧シリンダーのロッドシールを対象としている。
シールリングの外周面、内周面に作用する圧力によるリングの変形解析とシール隙間内の流体解析(静圧・動圧解析)とを連成させた弾性流体潤滑計算プログラムを作成した。本計算プログラムでは、シール隙間分布、圧力分布、最小シールすきま、漏洩量などが予測できる。この予測精度の確認のために、軸径60mm、最大作動油圧3.5MPa、最大往復動速度1m/sの実験装置を製作した。供試リング材料として、樹脂材(ポリアミド樹脂、圧縮弾性率3530MPa)を用いた。低弾性率の樹脂リングを用いることによって、小径・低圧の試験条件においても、大径・高圧の金属製シールの性能シミュレーションが可能である。
実験結果、オイルフィルムシールからの漏洩油量は作動油圧が低い領域では、作動油圧と共に増加し、最大値を有し、さらに作動油圧が高くなると、漏洩油量は減少する。この結果は計算結果とほぼ一致することが判明した。漏洩油量はシール隙間に敏感(近似的には、すきまの3乗に比例)であり、漏洩油量の一致度より、シールすきまの計算精度も良好であると判断される。
軸が高速で往復動する場合には、逆くさび形状にともない、シールすきま内に負の動圧が発生するために、リングの収縮変形がさらに大きくなり、すきまが消失する。この対策として、リング内周面の高圧側の隙間を低圧側より大きくした段付き形状リングを考案した。段付き形状リングは段付き幅を適切に採れば、すきま消失対策として、有効であることを確認した。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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