研究概要 |
実験は風洞を用いて行った.風洞は試験部に長さ2m厚さ10mmのアルミ板を挿入し,それを試験壁として用いた.試験壁の上端には前縁を有し,試験壁の片面に発達する境界層に対し煙による流れの可視化と熱線流速計による測定を行った.この場合の主流乱れはノズル上流に設置した乱流格子で発生させた.また、潜行水槽による実験を行うため、試験板を一定速度で潜行させられる水槽を設計し、製作に取りかかった. 境界層流の検定および乱流格子の選定を行う前に、主流乱れの乱れ強さが十分小さいかを調べた.その結果,乱れ強さ0.5%のほとんどのエネルギー成分が低周波に集中しており,10Hz以上のエネルギーは0.08%であることから本実験を行うには十分小さい乱れ強さであることが確認された.また試験壁前縁上で0,5%程度の主流乱れを起こす乱流格子を選定した.この乱流格子をノズルの上流に設置し.境界層内の流速分布と乱れ強さを熱線流速計を用いて測定したところ,境界層内でnon-modalな撹乱が成長すること,遷移の最終段階で壁近傍に強い乱れを持つ撹乱が成長することが明らかになった. 遷移中に現れる撹乱の構造を知るため,アルコールミストを用いた流れの可視化を行った.試験壁には幅1mmのスリットからミストを境界層底部に静かに流し込み,このミストにハロゲンランプの光を照射し,CCDカメラを用いて撮影した.その結果,上流ではストリーク構造が観察されたが,主流が数%の場合に比べそのコントラストが弱いことが分かった.また遷移直前でA型の撹乱構造が見られ,それが崩壊して乱流に遷移していることが明らかになった.
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